親はどうしても学力としての「結果」が気になってしまいます。でも「計算が速くなる」とか「英語が話せるようになる」という結果は、子ども自身が「プロセス」を楽しみ、計算や英語にポジティブに向き合った結果のひとつなんです。そのプロセスを楽しむようになるかもしれない好奇心の種は、あちこちに埋まっています。親子で一緒に探究してみてください。

宝槻泰伸さん
宝槻泰伸さん

〇宝槻泰伸(ほうつき・やすのぶ)/1981年生まれ。京都大学経済学部卒業。2011年に探究学舎を開校。宇宙、生命、元素、医療、数学、経済などの分野で子どもたちが自発的に熱中する授業を届ける。22年3月からは興味を「広げるコース」「深めるコース」のオンライン授業をスタート。

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【1】動物園編

生物学者になりきって動物たちの不思議をのぞく

 動物園に行くと、せっかくなら全部見たい! と早足で回りがち。「ここはぐっとこらえて、一部に絞って見ましょう」と探究学舎の講師、福井健さん。「動物が活発に動くのは朝。生物学者になりきって双眼鏡で観察してください。おすすめはキリンとオカピです」

双眼鏡でキリンを観察してみよう! 撮影/加藤夏子(写真映像部)
双眼鏡でキリンを観察してみよう! 撮影/加藤夏子(写真映像部)

 というわけで、よこはま動物園ズーラシア(横浜市旭区)へ。ここの特徴は、肉食のチーターと草食のキリン、グラントシマウマ、エランドが混合する「アフリカのサバンナ」ゾーンがあること(偶数日のみ混合)。チーターは自分の体より小さい小型草食動物を狩りの対象にし、自分より大きい中~大型の草食動物は襲わない性質があるそう。むしろ、この中では一番体が小さくてグラントシマウマに後ろ蹴りにされることもあるので、チーターの「避難場所」が用意されていました。

 動物たちを一枚の写真におさめたく3時間粘ったものの、チーターの「サハラ」は避難場所から出てきません。双眼鏡をのぞくと猫のように横たわり、時折尻尾をぱたんと揺らして草陰でうとうと。

 チーターが走る姿は見られるの?

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