■子どもにとって”最善”を選ぶには
インターナショナルスクールや公立の小中高一貫校など、教育の選択肢が増えるなかで、あえて私立小を受験することについて、吉岡さんはこう語る。
「ひとくちに私立といっても、様々な学校があり、スクールカラーは違います。家庭の教育方針や子どもの特性に合った学校を熟考して選べるのが、私立小のメリットです。また、教師も愛校心が高く、非常に熱心。保護者と連携して自校の伝統をつくり上げていくという意識が高く、安心して子どもを任せられます」(吉岡さん)。
また、「エスカレーター式でのんびり大学まで」といったイメージも今は昔。野倉さんは「中高一貫校や大学付属校であっても、進みたい分野があったり、成長した子どもにもっと合う学校が見つかったりすれば、飛び出すことも辞さない。わが子が方向転換できるように、将来の選択肢も残しつつ、その時期の子どもに合った・最善・の教育として、私立小を選択する家庭が増えているように感じます」と話す。
わが子に合った志望校はどのように選ぶといいのか。野倉さん、吉岡さんが口をそろえるポイントが「家庭の方針と学校の教育理念が合致すること」。それには、有名校への憧れだけでなく、わが子にどのように成長してほしいか、家庭としての軸を決め、学校を分析することが欠かせない。「志望校をいくつか決めたら、通わせた場合のメリット・デメリットを洗い出すのも一つの手。夫婦で相談しながら、ニュートラルな気持ちで書き出してみると冷静に判断できます」(野倉さん)
(文/澤田聡子)
※AERA English特別号『英語に強くなる小学校選び2023』より
著者 開く閉じる