10歳前後になると、自分の意思とは関係なく、だんだんからだが変化していきます。どう対処していいかわからないし、まわりの人にもなんとなく聞きにくい……。「プレ思春期」の子どもは、こんなモヤモヤも感じ始めています。第二次性徴で徐々に訪れる子どものからだの変化について、産婦人科医の高橋幸子先生に聞きました。現在発売中の「AERA with Kids 2022年秋号」(朝日新聞出版)から一部抜粋して紹介します。
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脳や心の成長と同時に、からだの大きな変化「第二次性徴」を迎えるのがこの時期。個人差はありますが、からだつきが変わったり、今まで疲れ知らずだったのが、だるく感じるようになったり……。
「声変わりや精通、生理の始まりなどのほかにも、性毛が生えはじめ、ホルモンの分泌で体臭が強くなることもあります。これを、ストレスに感じる子どもも多いのです」と話すのは、産婦人科医の高橋幸子先生です。
「不安やストレスにしないためには、正しい知識をつけること。『大人になるための準備』とわかれば、子どもも安心できます」
そのために、親子で一緒に第二次性徴について学んでおくことが大切なのです。
部屋が散らかっていたり、ごろごろしてなんだかやる気がなさそうだったり……。プレ思春期には、家でのこんな姿も多く見られます。でも、これは決してサボっているわけではなく、本当に「疲れて」いるからなのかもしれません。
「成長のために、ホルモンの分泌や細胞分裂も活発になります。すると自律神経の乱れなどが原因で、からだのしんどさも感じやすくなるのです。だるそうにしていたり、無愛想になったりすることは多々あるのです」
つい、「こら、またダラダラして!」と言いたくなるところですが、これを思い出せば、少しちがう声かけができそうです。
「それに、子どもが無愛想でいられるのは、家でリラックスができている証拠かもしれませんよ」
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