「塾は合格にコミットするのが仕事だから、それが目的でいいのです。ただ、家庭における受験の本当のゴールはそこなのでしょうか?」
とボークさんは言う。合格したい気持ちはもちろん誰しもある。ただ、「合格することだけをゴールにしない」受験こそが、この先の未来を生きる子どもたちにとっては大事だ。「なんでまた同じところで間違えたの! 偏差値が下がっているじゃない」「こんなことでは合格できないよ」「〇〇中に合格した××ちゃんは受験生のときにもっと勉強していたよ」などと結果を責めたり、子ども自身を否定したり、比較したりする“子どもを壊す”受験になってしまっては、元も子もないと、ボークさんは指摘する。中学受験を子どもの生きる力を育む機会にするためにも、プロセスを重視した受験期間を過ごすことが理想といえるだろう。
ボーク重子さん出演のYouTubeでは、親が子どもと接するときに気をつけたいポイントについても話している。
○ボーク重子
Shigeko Bork BYBS Coaching LLC代表。ICF会員ライフコーチ。非認知能力を育む教育法をベースに、自分史上最高に幸せになれる子育て・自分育てを提案する。非認知能力育児を研究・実践し、一人娘のスカイさんが18歳のときに「全米最優秀女子高生」に選ばれた。『「非認知能力」の育て方』(小学館)、『しなさいと言わない子育て』(サンマーク出版)ほか著書多数。ワシントンDC在住。
(撮影/加藤夏子<写真映像部・ボークさん>、文/AERA with Kids編集部・小林佳世)
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