星:子育てって子どもの記憶づくりだと思うんです。人間は過去の記憶をベースに行動と選択をします。前野先生の「大器晩成」の話もそうですけど、勉強でも片付けでも、子どもがどんな記憶を持っているかが大事。怒られている記憶ばかりだと、やはりそれらを積極的にやろうという気は起こりません。

前野:「幸せ子育て」のためには、まずは親自身が子育てのほかにワクワクすることやチャレンジしたいことを見つけてみてください。それに罪悪感を感じる必要はない。

星:つまりメカニズムとしてはこうです。親が幸せになる→かける言葉がポジティブになる→子どもに良い記憶ができる→子どもも幸せになる。心理学的にも起点は親が幸せかどうかだとされているのです。

前野:そう。子ども第一に、と自己犠牲を厭わず子育てをすることは、実は子どもの幸せにつながっていなかった、ということは科学的にも証明されていることなんです。

星:自分が幸せな状態であれば、ちょっとイラッとしても自分をコントロールできますしね。そうすれば子どもへの接し方も、一呼吸置いて考えられるようになります。

前野:もっと簡単に言ってしまうと、幸せは伝染します。あなたが幸せだとお子さんも幸せになるし、あなたが不幸だとお子さんも不幸になる。ですから、自己肯定感が高く、夢を持った子に育てたいのであれば、自分自身も自己肯定感を高くして夢を持たないと。

星:そうですね。そしてそれは決して難しいことじゃない。知識とスキルを身につければ、誰もができるし、現状を変えることができるということを、みなさんに知ってもらいたいですね。

「AERA with Kids冬号」では、星渉さんによる子育てセミナーの様子も掲載。今年、自分自身を変えたい方、必見です。

AERA with Kids (アエラ ウィズ キッズ) 2019年 冬号 [雑誌]

星渉,tomekko,高濱正伸,安浪京子

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AERA編集部
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