中学受験市場が活況を呈しています。右肩上がりの受験者数は、今年もさらに伸びて9年連続で増加しました。しばらく共学校の人気が続いていましたが、今年は男子校、女子校の志願者が増加しました。(※志願者の数は、首都圏模試センターによる2月11日時点の集計によるもの)

MENU ■大学入試改革などが私立志望の要因に ■午後入試の導入で併願校が増加 ■23年は別学の志願者増の傾向が ■神奈川・千葉・埼玉も増加の傾向

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 2023年の首都圏の私立・国立中学校の受験者数は約5万2600人(首都圏模試センター調べ)だった。同センター取締役教育研究所所長の北一成さんによると「過去39年間で、5万2000人超えは初めて」だという。受験率も17.86%まで上昇した。

■大学入試改革などが私立志望の要因に

 受験者が増加した要因として北さんは、「コロナ禍の公私の対応格差、大学入試改革、世の中で求められる力の変化」の三つをあげている。

「学校閉鎖になってから私立はWEBに切り替え、素早く授業を再開した。また学習指導要領の変更にともない25年から大学入試が変わりますが、保護者はそれに対応できるのは私学のほうが有利と見ている。同様にこれからの時代に適応する能力を身につけるには、私学の教育が上と期待を寄せているのでしょう」(北さん)

 森上教育研究所アソシエイトの高橋真実さんは経過を、「昨年秋の模試の受験者数が減っていたので、今年は減少に転じるかもという予測もあったのですが、実際には増加した」と話す。模試の受験者数の減少は「ちょうどコロナの感染者が急増したころで、受験生が大事を取って外出を控えたためではないか」と、推測する。東京都内だけでなく、神奈川、千葉、埼玉も増加。特に埼玉は各校の進学実績が伸びており、県内の学校で終了する受験生も多かったという。高橋さんは増加の要因を「保護者が中学受験を経験した世代になったため」と分析する。

「自身も経験しているので、中学受験のハードルが下がってきた。今年は別学が人気になりましたが、親世代の多くは別学に進学している。自分の経験を踏まえて、子どもにも男子校、女子校を後押ししたためではないでしょうか」

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柿崎明子
ライター 柿崎明子
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