話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』では、毎号、五輪に関する知識「オリ・パラのうんちく」をお届けしています。6月号では、東京五輪で採用された種目が、次のパリ大会でどうなるか?を紹介するよ。
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空手は、2020年東京大会で、開催都市が提案する追加競技として初めて五輪に採用された。しかし、今年2月に発表された24年パリ大会(フランス)の追加競技の候補には選ばれなかった。同じく東京大会の追加競技として採用された種目のうち、スポーツクライミング、サーフィン、スケートボードは残ったが、野球・ソフトボールは空手とともに選ばれず、代わりにブレークダンスが新たに加わっている。IOC(国際オリンピック委員会)による正式決定は東京大会後の来年12月だから、まだ存続の可能性はあるが、このままではパリ大会で、空手は実施されなくなってしまいそうだ。
野球・ソフトボールは、ヨーロッパではあまり人気がない。しかも、五輪は今、参加人数やコストなどを減らすことが求められているため、チーム競技で人数が多く、球場整備のコストもかかる野球・ソフトボールのパリ大会での実施は、そもそも難しいとみられていた。 一方、空手はフランスでも人気がある。個人競技で参加人数も少ないから、パリ大会での採用の期待も高かった。それなのに落選してしまったのは、IOCが最近、若い世代に訴える力を重視しているからだと考えられる。
東京大会とパリ大会で続けて採用されるスポーツクライミング、サーフィン、スケートボードと、パリ大会で新しく候補になったブレークダンスは、いずれも若い世代に人気の高いスポーツだ。ブレークダンスは、すでに14歳から18歳までの選手たちが参加するユース夏季五輪の正式競技となっている。日本は世界的にも競技レベルが高く、18年のブエノスアイレス大会(アルゼンチン)では、河合来夢選手(神奈川・百合丘高2年=当時)が金メダル、半井重幸選手(大阪学芸高2年=同)が銅メダルを獲得している。
※月刊ジュニアエラ 2019年6月号より