話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』では、毎号、一つの競技を取り上げて、やっても見ても楽しくなるうんちく(深~い知識)を紹介するよ。6月号では、空手を取り上げました。
<競技の内容>
突き、打ち、蹴りなど、全身を使って外敵から身を守ることを目的とした武術。流派や会派によってルールはさまざまだ。
<柔道のうんちく6連発>
(1)琉球王朝時代の沖縄がルーツ
空手は琉球王朝時代の沖縄を発祥とする武術だ。古くから伝わっていた格闘技「手」(ティー)が、中国から伝わった拳法の影響を受けて発展した。1920年代に沖縄から日本全国に伝えられ、第2次世界大戦後に世界に広まっていった。
(2)倒すことより身を守るのが目的
空手は、相手を攻撃して倒すのではなく、攻撃してくる相手から身を守るための武術として生まれた。現在ではさまざまな流派や会派があり、東京五輪では、相手の動きを想定して1人で行う「形」と、2人の選手が自由に攻め合う「組手」が行われる。
(3)当てる直前で「寸止め」がルール
東京五輪の組手は、技を相手に当てずに直前で止める「寸止め」がルール。正確に、タイミングよく、しっかりコントロールした技を出すことが重要だ。実際に相手に技を当てるルールの流派や会派もあるが、東京五輪では行われない。
(4)8ポイント差をつければ勝ち
東京五輪の組手は男女各3階級(体重別)で、試合時間は男女とも3分間。技の種類や決めた場所によりポイント数が決まっており、最高は3ポイントで、8ポイント差がつけば試合終了。その差がつかぬまま試合時間が終わったら、その時点でポイントの多いほうが勝ちだ。
(5)帯が落ちたら反則!
東京五輪の形の試合は勝ち抜き戦。何十種類もの形から選んで演武し、一度行った形は、その試合ではもう使えない。勝負判定は、これまでは5人の審判員が旗を上げて勝者を決めてきたが、東京五輪から採点方式に変わる。また、演武中に帯が落ちたら反則だ。
(6)正面への礼は神様に向けて
空手は礼に始まり礼に終わる。一人ずつ演武を行う形の場合も、試合前後に対戦相手がそろい、「正面に礼」と「お互い(相手)に礼」を行う。正面への礼は神様に向けたものだ。
※月刊ジュニアエラ 2019年6月号より