東海地区の入試解禁日は1月第1土曜日だ。原則として入試日は土・日・祝日に限られている。今年の入試日程は1月7、8、9日の前半に集中した。

「従来は、早い時期に入試を行う学校は押さえ校だったのですが、受験生が増えるとともに進学する生徒も増えています。競争が厳しくなっているので、早い時期に合格が取れないと進学先の確保が難しくなっています」(藤原さん)

 難関校も安定した人気。最難関の東海(名古屋市)は1050人から1071人へと志願者を増やした。海陽(蒲郡市)も722人から884人へ増加した。

「寮のある学校の人気が高まっており、首都圏からの志願者が増えています。首都圏でも入試会場を設けているので、その影響もあるのでは」(藤原さん)

 岐阜県は鶯谷(岐阜市)が425人から470人へ増加と健闘した。

「鶯谷も過去最高です。同校最寄り駅の岐阜は名古屋からも通学が可能です。名古屋に入試会場を設置して依頼、勢いを増しています」(藤原さん)

 三重県は海星(四日市市)の前記が113人から136人に増加。

「英語教育に力を入れており、地元からの期待値が高い。共学になってから3年連続で志願者が増えています」(藤原さん)

  愛知県では2025年に公立中高一貫校が4校開設される。私立への影響はあるのか。

「注目を浴びているので、公私併願する受験生はいると思います。ただ定員もそれほど多くないので、影響は限定的では。私立も、奮起してより教育を充実させ、アピールしていくので、中学入試はますます活況になるのではないでしょうか」(藤原さん)

(柿崎明子)

※文中の数値は「2023出願・入試状況(2023/3/1時点)」(日能研関西調べ)、「2023年度 私立中学入試結果一覧(2023/3/1時点)」(日能研東海調べ)を参照。

首都圏中学受験は史上初の5万2000人超え 男子校が激戦に【中学受験2023】
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ライター 柿崎明子
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