神奈川では昨年の県立2校に引き続き、今年は横浜市立の南高附、横浜サイエンスフロンティア高附が男女枠を撤廃した。まだ入学予定者の男女比は発表されていないが、ある程度は予測可能だという。
「県立を例に取ると、男女別で募集されていたときに、倍率が高い方の人数が多くなっています。ですから、南高附なら女子、横浜サイエンスフロンティア高附なら男子が多くなるのではないでしょうか」(宮田さん)
千葉では昨年、市立稲毛(千葉市)が併設型から千葉県で初の公立中等教育学校になり校名も稲毛国際に変更した。昨年度はその期待値から、志願者が250人ほど増えて約850人になり、今年もその水準で推移している。
「千葉も全体的に志願者が減少していますが、もともと募集定員が少なく倍率が高い地域。東葛飾(柏市)の男子はほぼ10倍です。他の都県に比べると、まだまだチャレンジ層が多いと言えるでしょう」(宮田さん)
埼玉は伊奈学園で志願者が75人減少したが、その他3校の志願者数は横ばいで、3回目の入試を迎えた川口市立は男女とも約5倍である。
「他の都県に比べ私立中との併願は少なく、私立と公立で受験(検)者が分かれる傾向です」(宮田さん)
■注目は東京の男女枠撤廃
次年度以降、神奈川の市立川崎で面接が廃止されることが発表されている以外は、大きな変更は公表されておらず、受検者動向も今年を踏襲しそうだ。
「変化が起こるとすれば、世の中の状況に左右されそうです。景気が悪化すれば公立を選ぶ層が増える可能性もあります。またコロナが一段落し、どの学校もいろいろな活動を再開しているので、人気に変化が出てくるかもしれません。学校間では、東大を主とした大学進学実績で差が付いてくるでしょう」(宮田さん)
注目されているのが、東京の男女枠だ。神奈川が全校撤廃し、都立高校でも2024年度入試から男女枠を撤廃する方針を打ち出している。その影響が都立の中高一貫校にも及ぶ可能性はある。
「おおむね女子の方が合格最低点が高い傾向にあり、男女枠が撤廃されたら女子の競争は少し緩和し、逆に男子が厳しくなるかもしれませんね」(宮田さん)
今後の動きをしっかり見ておこう。
(柿崎明子)