最近、便秘の子どもが増えているのをご存知ですか? しかも、便秘が疑わしい子どもを持つ保護者の約6割が「うちの子は大丈夫」と思い込み、便秘の可能性に気付いていないという調査結果もあるようです。『AERA with Kids』(朝日新聞出版)冬号では、子どもの便秘について取材しています。

排便の記録をすると意識も高まる(イラスト/Yuzuko)
排便の記録をすると意識も高まる(イラスト/Yuzuko)

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「子どもの便秘は親次第。これでは子どもが将来大腸の病気になりかねません」

 こう話すのは、30年間で4万人の大腸内視鏡検査を実施してきた腸のエキスパート、松生恒夫(まついけ・つねお)先生です。

「ただでさえ現代の子どもの生活は、便秘になりやすい生活スタイルになっています。塾に通う子どもが増えて夜型の生活になりやすいこと、学校のトイレで排便をすることに抵抗があるなど、様々な背景があるようです。便秘になると勉強や遊びに集中できず、学校嫌いになってしまう子どももいるのです」

 また、腸の状態が悪いと自律神経やホルモン系を介して脳にも影響があることが最近の研究で分かってきました。腸の状態をよくするためには、何よりも排便習慣が大事。食事の内容や生活習慣など、排便習慣は親の意識で改善できます。「あれ?」と思ったらすぐに生活全体を見直して、快適なお通じを心がけましょう。今回は松生先生おススメの「6つの腸活ポイント」をご紹介します。

(1)腸にいい食材を積極的に取り入れる
 おススメの食材は、食物繊維が白米の約25倍含まれるもち麦や、納豆やみそなどの発酵食品、オリゴ糖が多いキウイなどの果物、また海藻やキノコ類といった食物繊維豊富な食材です。油なら小腸をやさしく刺激するオリーブオイルを。お通じをよくしてくれます。

(2)朝起きたら、お水かお茶を1杯飲む
 空っぽの胃に飲食物が入ることで、「胃・結腸反射」が起こり、1日の中で最も強い蠕動(ぜんどう)運動が起こります。固形物よりも液体の方が素早い刺激になるので、飲み物の方がベター。便意が起きたらがまんせずにトイレへ。

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AERA編集部
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