日本列島は7月上旬、西日本を中心に記録的な豪雨となり、死者200人を超す大きな被害が出た。7月中旬以降は「災害級」の猛暑となり、8月も続いた。連続するこうした異常気象は、地球温暖化が問題となり始めたころからすでに予測されていた。毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』に掲載された記事を紹介する。

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 この夏、ものすごい暑さや驚くような雨を経験した人は多かっただろう。

 7月5~8日ごろにかけて、オホーツク海高気圧と太平洋高気圧の間で停滞した西日本付近の梅雨前線に向けて多量の水蒸気が流れ込み、一部で「線状降水帯」もできた。長さ50~300キロ、幅20~50キロ程度の線状に伸びる強い雨域のことだ。上空では、新しい積乱雲が次々と発生し、ビルのように一列に並ぶ、「バックビルディング現象」が起きていた。5~7日の3日間に全国のアメダスで観測された雨の総量は14万567ミリメートルで、1982年に本格的に観測を開始して以来、過去最大だった。