子どもでも、いや、子どもだからこそ、小さな悩みをだれに相談していいかわからず、一人で抱え込んでしまうもの。そんなときはぜひ、聞かせてください。ズバッと解決してみせましょう。小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』で連載中の「小さなことでも気軽に! こなやみ相談室」。今回は「勉強せずにマンガを読んで寝てしまう」という相談。回答者はコラムニストの石原壮一郎さんです。
【Q】「マンガを5分だけ読んだら勉強しよう」と思っても、いつもやめられず、結局勉強しないで寝てしまいます。どうすればなおりますか?(Maiさん 宮城県/11歳)
■マンガを読んじゃう自分をひとまず肯定してみたら?
ここだけの話、この原稿は本当は昨夜のうちにできているはずでした。10分だけテレビを見ようと思ったらやめられず……。
「楽しいことの誘惑」をどう振り切るか、人類はまだいい方法を見つけてはいません。「強い意志を持つべし」と言ってしまえばそれまでですが、それができないのが人間の弱さであり、かわいいところでもあります。
どんなに自分を責めても同じ失敗を繰り返すなら、ひとまず責めることをやめて、逆に持ち上げてみてはどうでしょう。
「テヘ、またマンガずっと読んじゃった。でも、私のそんなところがかわいいかも」
といった調子で、誘惑に弱い自分を肯定します。そのうち、後ろめたさや気持ち悪さが極限までふくらんで、「こんなことしてる場合じゃない」という焦りが出てくるかも。
心の底から「自分はこのままじゃダメだ」と思わないと、人は変われません。悩んだり自分を責めたりする行為は、一見いいことのようですが、結局は何もしない言い訳を自分に与えているだけともいえます。
いったん落ちるところまで落ちて、また這い上がりましょう。私もがんばります。
石原壮一郎さん
1963年、三重県松阪市生まれ。コラムニスト。『大人力検定』など、大人をテーマにした著書たくさん。最新刊は『大人の人間関係』。
※月刊ジュニアエラ 2018年8月号より