憲法は誰のためにあるの? どんなことが書かれているのかな? 毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』に掲載された、首都大学東京教授で憲法学者の木村草太さん監修の解説を紹介しよう。

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■暮らしの中に憲法はある

 キミたちにとって憲法は、遠い存在に思えるかもしれない。でも、本当はとても身近で、日々の暮らしを守ってくれる大切なルールなんだ。

 たとえば、ただ道を歩いているだけで逮捕されるなんてことは私たちの日常生活ではまず考えられないよね。生まれたときから職業が決まっていたり、自由に学べなかったりなんてことも今の日本ではないだろう。

 私たちにとって当たり前のことが、当たり前でなかった時代があったんだ。世界を見渡せば現在でも不自由な国はたくさんある。

■憲法は当たり前の自由を保障

 では、なぜ今の日本で私たちは自由に暮らせるのか。それは日本国憲法が、私たちにとって「当たり前の自由」を保障してくれているからだ。日本国憲法の「基本的人権の尊重」がそうだ。

 私たち国民を守るほかに、憲法には大切な役割がある。ここで一つ質問。憲法を守るべきなのは誰?

 答えは、政府をはじめ、国を動かす権力を持っている人たちだ。国家権力はときに暴走して、私たちの権利を奪ったり、踏みにじったりする。憲法は国家をルールでしばり、政府が好き勝手に権力を乱用しないためにあるのだ。

 戦前の大日本帝国憲法(明治憲法)では、政治のありかたを決める主権は天皇にあった。天皇や政府の力が強く、第2次世界大戦に直面すると国家権力は暴走し、戦争に突き進んでしまった。この反省から、より適切に国家権力をコントロールできるように制定されたのが日本国憲法だ。「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」が基本の3原則となっている。(解説/首都大学東京教授、憲法学者・木村草太)

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AERA編集部
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