【大日本帝国憲法】


天皇が国の権限のすべてを握って、臣民の権利は法律の範囲内で保障された(天皇に支配される人民=国民)。

【日本国憲法】
憲法で守られた国家のしくみ
<国民(主権者)>
生まれながらに人間らしく生きる権利を持っている

<国家>
国家に権力が集中して暴走しないように、法律を決める立法権、法解釈の争いを裁く司法権、法律にしたがって政治を行う行政権の三つに分けて、互いにチェックするシステムになっている。これを三権分立という。

<法律:国家から国民へ>
憲法の範囲内で法律をつくる。法律は国政の重要事項を決める国会が決定する。憲法が国家権力の限界を定め、国会が好き勝手に法律をつくれないしくみになっている。

<憲法:国民から国家へ>
国家を成り立たせるルール。国家権力の担い手が順守すべき最高法規。権力を持っている人が勝手なことをしないように、その力をしばり、国家権力の乱用から国民の自由を守っている。憲法にのっとり権力を行使すべきという考え方を立憲主義という。

■大日本帝国憲法(明治憲法)と日本国憲法

(1)それぞれの憲法ができたきっかけは?

<大日本帝国憲法>
明治政府は、江戸時代末期にアメリカやヨーロッパと結んだ不平等条約の改正を目指していた。そのためには、憲法制定や、議会による政治のしくみを整えた近代国家として認められることが必要だった。

木村先生:法律も整っていないような国で裁判を受けることを想像してほしい。たとえば食い逃げしただけで火あぶりの刑なんて言われたら、すごく怖い。そんな国とは対等につきあえないよね。

<日本国憲法>
1945年、日本はアジア・太平洋戦争に敗れ、国内外に多くの被害を出した。日本国憲法は、その反省を込めてつくられた。マッカーサー率いるGHQ(連合国軍総司令部)の主導で誕生した。

木村先生:章立ては大日本帝国憲法と似ているものの、世界的には珍しい「戦力不保持」などの要素を持っている。第3章の「国民の権利」保障は、国民の生活を大きく変えた条文だ。

(2)どこが違うの?

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