栗原さん自身も、小学2年生から毎週日曜日に家族の朝食を作っていたそう。

「早起きしてアニメを見ていて、そのうちにおなかがすいて、じゃあ自分で作ろう!と。自分に役割ができて誇らしかったです。料理で身に着いたのが、段取り力。温かいものは温かいうちに食べることが一番おいしいと気づいて、工程を逆算するようになりました」

 今は息子さんも料理好きで、親子であれこれ試行錯誤しながらカレーを作ることもあるそう。

「息子はすごく鼻が利いて、僕がかぎ分けられないスパイスを当てたりするんです」

 わが子を自慢に思う栗原さんのパパの表情に、子どもが料理をする効果を確かに実感しました。

■栗原心平さんの思い出の本 

『はなのすきなうし』

マンロー・リーフ/文 ロバート・ローソン/絵 光吉夏弥/訳 岩波書店 880円

ひとり静かに花の匂いを嗅ぐのが好きな牛が、手違いで闘牛場で闘うことに。でも牛は花の匂いに夢中なんです。スぺイン内戦中にかかれた絵本だそう。『泣いた赤鬼』(浜田廣介/作)もよく読みました。息子にも、こういう優しさを説いた本と出合ってほしいですね。

『ノラネコぐんだん』シリーズ

工藤ノリコ/作 白泉社 各1320円

8匹の好奇心旺盛で食いしん坊なノラネコぐんだんが繰り広げる悪だくみの顛末を描いた絵本です。息子だけじゃなく僕自身も大ファンで、シリーズでそろえました。キーケースもノラネコぐんだん柄。特に何の教訓も得ていませんが、そこがいいんです(笑)。

※発売中の「AERA with Kids 2023年春号」では、そのほかの栗原心平さんの思い出の本、「子どもに料理を教えるポイント」も紹介しています。

(取材・文/清 繭子)

AERA with Kids (アエラ ウィズ キッズ) 2023年 春号 [雑誌]

朝日新聞出版

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