料理番組「男子ごはん」で人気の栗原心平さん。料理家の母・はるみさん、いつも本をプレゼントしてくれた父、そして料理好きを受け継いだ息子さんとのエピソードを伺いました。発売中の「AERA with Kids 2023年春号」の特集「子どもが夢中になる本133冊」から一部抜粋してご紹介します。

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「本といえば、我が家で思い出深いのが、『はなのすきなうし』事件(笑)。父がクリスマスの夜に必ず読み聞かせてくれる本だったのですが、小学3年生のとき、もういらないよねと、捨ててしまったんです。それを知った父が激怒し、クリスマス・イブの大雪のなか、母と書店を何軒も巡って探し回る羽目に。

 読み返すと、平和への願いや個性を貫く大切さが書かれた本で……。後に父の親心を知りました」

 子どものころ、よく父から本をプレゼントしてもらっていたという料理家の栗原心平さん。でも料理の本は、ほとんど読まなかったそう。

「レシピを見て作るよりも、見た目や味で、作り方を推測して作っていました。失敗ばかりでしたが、それも経験になりました。ただ、それは母が料理家で食材だらけの家だからできたこと。ぜひお子さんに合ったレベルのレシピ本で、料理に挑戦してほしいですね」

■小学校2年生から、毎週日曜の朝食作りを担当 「おいしい!」という根拠ある評価で自己肯定感アップ 

 最近、初の子ども向けレシピ本『栗原心平のキッズキッチン』を刊行した栗原さん。その思いは?

「中学受験の勉強に忙しくしている息子を見て思うのが、子どもは成長するにつれて家族時間が減り、褒められる機会が減っていくということ。そこで、子どもが家族の食事を一品でも作る機会があるといいと思ったんです。料理なら、『よくできたね』という一般的な言葉ではなく、実際に味わって『おいしい』と褒められる。評価に根拠があるので子どもも納得でき、自己肯定感が高まります」

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清繭子
清繭子

出版社で雑誌・まんが・絵本の編集に携わったのち、独立。編著『小学生おまもり手帖』(オレンジページ)。エッセイ集『夢みるかかとにご飯つぶ』(幻冬舎)が2024年7月18日発売。

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