<aAERA2月14日号の表紙を飾ったKoki,さん>
AERA2月14日号の表紙を飾ったKoki,さん

 でも、いざ撮影に入ると、笑いが絶えない現場で、雰囲気も明るくて。スタッフの方々が温かく見守ってくださるような現場だったので、安心して撮影に臨むことができました。

 清水監督は、「質問があったらなんでも聞いて」とおっしゃってくださったので、自分はどう思うかを含め、なんでもオープンにお話ししていました。

 感情を爆発させるお芝居は、感情をどうコントロールすればいいのか、その後、いかに引きずらないようにするかを含め、加減が難しいな、と感じました。逆に感情を抑えるシーンは、「ちょっとした目の動きや瞬きで芝居は変わるので、そこを心がけてね」と監督が言ってくださり、細かい部分にも意識を向けることができるようになりました。

 撮影は約1カ月半で終わったのですが、「この後何カ月も撮っていたい」と思うほど素敵な現場でした。緊張感や現場のエネルギーも含め、とても好きでした。

――モデルの仕事との違いを感じたのはどんなときか。そう尋ね、返ってきた答えには、ハッとさせられた。

Koki,:モデルのお仕事と大きく違うと感じたことの一つは、「演じる役に名前がある」ということです。家族や友達、どう育ってきたかまで、登場人物一人一人に背景がある。さらに、その子がどう成長していくかを一番近いところで見続けることができる。

 私が演じる奏音という人物のことを「つかめた」と感じたのは、双子の妹である詩音に対する自分の思いがはっきりとわかった時です。詩音のことを考えると、胸が苦しくなり、本当の姉妹のように思えた。

 私自身、姉がいることもあり、二人の間に愛や絆があることも、大切な存在であるということもよくわかります。そんな共通点があったので、役づくりも自分の身に置き換えて考えることができました。

■家族との映画鑑賞好き

――モデルや俳優といった仕事を通して、「表現したい」という思いは、幼い頃から自然とあったという。

Koki,:芸能の世界で活動している両親の背中を見て育ってきたので、その影響も大きいと思います。

「牛首村」の撮影に入る前も、清水監督の「樹海村」を家族と一緒に観ました。子どもの頃から両親と一緒に映画を観ることが多く、家族で過ごすそうした時間がとても好きでした。

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