小栗旬・星野源と原作者・塩田武士が語る 『罪の声』映画化という「覚悟のいるチャレンジ」 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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小栗旬・星野源と原作者・塩田武士が語る 『罪の声』映画化という「覚悟のいるチャレンジ」

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澤田憲AERA
映画「罪の声」のメガホンを取ったのは「いま、会いにゆきます」の土井裕泰、脚本は「逃げるは恥だが役に立つ」の野木亜紀子。俳優陣も豪華で、「考え得る限り、最高」と塩田さん(撮影/写真部・東川哲也)

映画「罪の声」のメガホンを取ったのは「いま、会いにゆきます」の土井裕泰、脚本は「逃げるは恥だが役に立つ」の野木亜紀子。俳優陣も豪華で、「考え得る限り、最高」と塩田さん(撮影/写真部・東川哲也)

映画「罪の声」は10月30日公開。著者が15年の歳月をかけて完成させた同名原作小説の世界観を忠実に再現 (c)2020 映画「罪の声」製作委員会

映画「罪の声」は10月30日公開。著者が15年の歳月をかけて完成させた同名原作小説の世界観を忠実に再現 (c)2020 映画「罪の声」製作委員会

 昭和最大の未解決事件をモチーフにした映画「罪の声」。真実の点と点を小説という手法で結びつけた物語の映像化に、二人の俳優はどう挑んだのか。10月30日の映画公開を前に、原作者を交えて語り合った。AERA 2020年11月2日号に掲載された記事を紹介する。

【映画「罪の声」の場面写真はこちら】

*  *  *
 事件を語る人の表情も、声も、すべてが生々しさに満ちていた。塩田武士のミステリー小説『罪の声』は、昭和59年から60年にかけて実際に起きた劇場型犯罪をモチーフに書き上げられた。この作品の映画化にあたり、事件を追いかける新聞記者の阿久津英士を演じた小栗旬は、「開けてはいけないと言われている扉を開けてしまったような興奮と不安を持った」とコメントしている。

小栗旬(以下、小栗):原作を読んだとき、フィクションとはいえ、これが真実だったんじゃないかと思えるほどのリアリティーを感じました。だから、この作品を映画化すると聞いたときは「覚悟がいるチャレンジになるな」と直感しましたね。

■リアリティーある怖さ

 物語は、京都で老舗テーラーを営む曽根俊也(星野源)が、父の遺品の中から古びたカセットテープを見つけるところから始まる。テープに吹き込まれていたのは、子どもの頃の自分の声。しかしそれは、35年前に日本を震撼させた「ギンガ・萬堂事件」で、犯人が身代金の受け渡し指示に使った録音テープの“男児の声”と、まったく同じものだった──。

星野源(以下、星野):僕は、このプロローグのくだりを聞いたときに、鳥肌が立ったんです。モチーフとなった事件も、幼い頃にテレビで報じられているのを見た記憶があります。事件に利用された子どもがまだどこかで生きていて、しかも自分と同世代であるという事実に、すごくリアリティーのある怖さを感じました。

塩田武士(以下、塩田):実際の犯行でも、3人の子どもの声を吹き込んだテープが使われています。いちばん年少の子は、私と同じ関西出身で、しかもほぼ同い年。小学生のとき、道ですれ違っていてもなんらおかしくはないんです。さらに、これだけの劇場型犯罪で、多くの証言や遺留品があるのに、真相はまったくわかっていません。私は作家として、リアリティーのある小説を書きたいと常々考えていますが、こうした題材は一生のうちにいくつも巡り合えるものではないと思っています。


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