米国社会は今、深刻な分断に直面している。偉大な米国の復活を強調し、自国第一主義に走るトランプ氏の存在は一部で熱狂的な支持者を生んだ。白人至上主義を訴える人の動画に「すばらしい」とコメントするなど、トランプ氏には人種間の対立をあおる言動も少なくない。最近では白人警官による黒人への暴行や殺害が大問題となっており、多民族国家である米国で、分断がより拡大している。今回の大統領選は国際社会だけでなく、米国社会の分断の行方も占う、歴史的にも重要な選挙になる。

<米大統領選挙のしくみ>
共和党、民主党の二大政党制で両党の候補の対決。有権者は、代理で投票する選挙人を通じ大統領を選ぶ。各州で人口に応じ選挙人の数が決まり、全米で計538人。各州の有権者の投票が多い候補が、その州の選挙人数を得る。過半数の270以上の選挙人数を得れば勝利。

<激戦州>
ペンシルベニア、ミシガン、ウィスコンシン、ノースカロライナ、フロリダは常に接戦になる。アリゾナは、通常は共和党が強いが、今年は民主党支持の増加で激戦州になっている。ペンシルベニア、ミシガン、ウィスコンシンは中西部の「ラストベルト(さびついた工業地帯)」にある。2016年はいずれも共和党が勝利した。

(朝日新聞GLOBE編集部・山本大輔)

※月刊ジュニアエラ 2020年11月号より

ジュニアエラ 2020年 11 月号 [雑誌]

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山本大輔
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