経験上、強く叱って萎縮させるのは効果的じゃないと思っているんです。本当に伝えたいことが伝わらないし、子どもには嫌な気持ちだけが残って、「パパ嫌い」となってしまったら、僕にとっても本末転倒です。それに「ああしろ、こうしろ」と言い過ぎると子どもの自主性がなくなってしまう。そこは今でも試行錯誤しながらやっていますね。

 これは夫婦の役割分担も必要かもしれない。あまり「こうあるべきだ」にとらわれず、お互いにサポートしあいながらやっていければいいと思う。我が家は妻は全く怒らない。僕の方が同姓のせいか、気になることが多い。「自分で言ったことはちゃんと守りなよ」とか。

 実は僕自身、小さいころはあまり褒められた経験がなく、どこか自信がなくて、自己肯定感が低い子だったんです。昔の写真を見るとどれも不貞腐れているか、仏頂面をしていて、笑っている写真はほとんど見当たらない。

 だから、子どもを育てるにあたっては、自分が両親とのやりとりで嫌だったことは子どもにしたくない、と思っていました。

 今自分が少しずつポジティブに変われたのは、出会いに恵まれたことが大きかったように思います。妻との出会いもそうだし、ハッピーな連中と出会って、「こんな考え方もあるんだ」と刺激を受けて、その人たちの行動をまねるようにしたんです。

 自己肯定感が低いままだとどんな状況でも不幸せに思ったり、他人をうらやんだりしがちだけど、そうやって他人の行動をまねることによって「あ、こっちのほうが気持ちのいい世界だ」と気づくことができてきたんですね。

「気持ちいい世界」に気づくために、おすすめの方法をもうひとつ。

 ここ数カ月、1日の終わりに「その日あったいいこと」を3つメモして寝るようにしているんです。「◯◯がおいしかった」「久しぶりに仲間と会えた」とか何でもO K。

NEXT1日の最後は「いいこと」で終わる
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