医療資源の枯渇は「命の選別」にもつながりかねない、と津田教授は懸念を強める。

「イタリアなどでは人工呼吸器などの医療資源が足りなくなり、『誰を生き残らせるべきか』という、命の選別も迫られました。その場合、最重症の患者や後期高齢者などが『見捨てられる』ことになるでしょう」

 国内では、軽症者を病院ではなくホテルなどに収容するシステムや、オンライン診療の導入も進んだ。しかし、医療をパンクさせないためには感染者を増やさないことが何より大事だ。一人ひとりが行動に留意し、感染予防に努めることが欠かせない。(アエラ編集部・渡辺豪)

※月刊ジュニアエラ 2020年6月号より

ジュニアエラ 2020年 06 月号 [雑誌]

ジュニアエラ 2020年 06 月号 [雑誌]
著者 開く閉じる
渡辺豪
『AERA』記者 渡辺豪

ニュース週刊誌『AERA』記者。毎日新聞、沖縄タイムス記者を経てフリー。著書に『「アメとムチ」の構図~普天間移設の内幕~』(第14回平和・協同ジャーナリスト基金奨励賞)、『波よ鎮まれ~尖閣への視座~』(第13回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞)など。毎日新聞で「沖縄論壇時評」を連載中(2017年~)。沖縄論考サイトOKIRON/オキロンのコア・エディター。沖縄以外のことも幅広く取材・執筆します。

1 2