昨日、WBA世界ミドル級王座の初防衛に成功した村田諒太さん。「AERA with Kids 冬号」では、花まる学習会高濱正伸先生と対談し、自身の生い立ちからボクシングを始めたきっかけ、モチベーションの高め方などについて語った。その内容の一部を紹介する

*  *  *

高濱:村田さんは、末っ子でしたよね。

村田:3人兄弟の末っ子です。僕はよく心理学や哲学の本を読むんですが、アドラー心理学の本に兄弟性の話があって、当たっていてびっくりしました。長男は堅実、次男は革命家、そして三男は上ふたりとは全く違うことをする傾向にあると。まさに村田家もその通りなんです。

高濱:上のおふたりは今何をしているんですか。

村田:上は介護の仕事、下は南の島に移住しています。

高濱:介護の仕事といえば、お父さんもそうでしたよね。

村田:はい、知的障害のある方を受け入れる施設に公務員として勤めていました。父は昔から読書家で、今でも長文の感想文をメールで僕に送ってくることがあります(笑)。

高濱:それはすごいな。昔からずっと仲が良かったんですか。

村田:いや、すごく反発していた時期がありました。うちは僕が小6のときに両親が離婚しているんです。その前からケンカが絶えなかったにもかかわらず、両親は離婚後もなぜか同居を続けたんですよ。そのくせ週末は父が家にいないことが多かったし……イヤでしたね。

高濱:確かに複雑ですね。

村田:そのころは兄弟3人とも荒れてましたよ。僕は小6~中2のころが一番しんどかったです。兄弟同士で本気のなぐりあいをしたこともあるし、勉強なんて全然しませんでした。ボクシングも、ケンカが強くなりたくて始めたようなものです。練習が厳しくてすぐやめましたけど。

高濱:再開したのは高校から?

村田:中3です。さすがにこのままじゃあかんやろと思い始めて、やりがいのあること、本気でやりたいことは何だろうと考えてみたら、やっぱりボクシングだった。そして中3の4月から、ほぼ毎日、ボクシングジムに通い始めました。

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AERA編集部
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