2019年10月に8%から10%に上がる消費税。そこで、小中学生向けのニュース月刊誌「ジュニアエラ」2019年3月号では「消費税」「税金」を大特集。世界ではどのくらいの消費税を払っているのか、調べてみた。

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■税率0~27%と大きな差がある!

 消費税は、1954年にフランスで初めて導入され、多くの国では付加価値税と呼ばれているよ。2017年4月現在、世界152カ国で導入されている。世界一、消費税率が高いのはハンガリーで27%、次いでスウェーデン、ノルウェー、デンマークなどが25%、イタリアなどが22%、ベルギー、オランダなどが21%、イギリス、フランスなどが20%で、特にヨーロッパでは20%以上の国が多い。

 一方で、0%の国もある。中東のサウジアラビア、アラブ首長国連邦、クウェート、カタール、オマーン、バーレーンでは、ずっと0%だったが、18年4月現在、サウジアラビアとアラブ首長国連邦は、付加価値税を導入した。

【アメリカ合衆国】
<0~約10% 州によってバラバラ>
 世界一の経済大国・アメリカには、国の制度としての付加価値税はない。ただし、州や市によって売上税がかかるところがある。商品を買ったときの売上税の税率は0~約10%とさまざまだ。ホテルに泊まった場合はもっと税率が高くなる。全体的に税率が低く、全員が加入する国民皆保険のしくみがないアメリカでは、医者に診てもらうために多くの人は自分で高いお金を払わなくてはならない。その結果、病気になってもお金がなくて治療を受けられない人がいる。

【スウェーデン】
<税率25%で安心な暮らし?>
「高福祉・高負担の国」といわれるスウェーデンは、付加価値税の税率は25%で、若い人も所得税をしっかり払っている。だが、それに対して国民からの不満の声は少ない。それは、人が生まれてから亡くなるまでにかかる費用のほとんどが無料になっているからだ。大学までの教育費、20歳未満の医療費、高齢者のさまざまな費用などについて、平等に恩恵を受けられる。そのため、多くの国民は税金を払うことに価値があると考えている。

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AERA編集部
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