毎日、子どもに「宿題やったの?」「早くしなさい、遅れるでしょ!」と、ガミガミ……。ずっと言い続けているのに、なぜ子どもは変わらないのでしょう? この長年の親の悩みを解決すべく『AERA with Kids冬号』(朝日新聞出版)では、子ども自身に身につけさせたい「時間管理術」について特集しています。

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 親は、子どもにサクサクと動いてほしいというのが本音。でも、よーく考えてみましょう。このまま「言われてから動く」ことしかできないようでは、将来が心配ではありませんか?

「親の思い通りに動くことが大切なのか、自分で考えて動ける人間に育てることが大切なのか、改めて考えてみましょう」と話すのは、行動科学の専門家、株式会社ネットマン代表取締役社長の永谷研一さん。

 そもそも、「時間管理」の方法は学校の勉強では教えてくれません。しかし、時間管理の能力は、これからの時代を生きる子どもたちにとってますます必要になってきます、と多くの企業研修にも携わっている永谷さんは話します。

「これからは、仕事でも単純作業が減り、複数のタスクをこなすことが求められる時代に。でも、時間管理力が身についていれば、やるべきことが多くて『時間がない!』というときでも、なにを優先してどこから手をつければいいのか、きちんと判断ができます。また、約束の時間や仕事で期日をちゃんと守ることができる人は、相手に『この人は大丈夫、信用できる』という安心感を与えることができるので、自然と人がついてきます」

 仕事や人間関係がうまくいくことで、自己肯定感も高まります。自己肯定感が安定していると、新しいことにも臆せずどんどん挑戦できる態勢に。つまり、時間管理力は「幸せに生きるために必要な力」ともいえそうです。

 では、どのようにしたら子どもにガミガミ言わずに時間管理力をつけさせることができるのでしょうか。

「一方的な上からの指示より、子どもが『できたこと』を認めて、共感してあげる。このほうが人を動かす力になることは、ビジネス社会でも認められているんです」(永谷さん)

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AERA編集部
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