そこで、暑さに強くコシヒカリ並みにおいしい、次世代の米の開発が急速に進んでいる。例えば、2017年から販売がスタートした新品種「新之助」は、まろやかな甘みとコクがある新潟県の新品種。今年、特Aを取得すれば、新潟県初のコシヒカリ以外の待望の特A米となる。また、コシヒカリ発祥の福井県でも、コシヒカリの後継米となる新品種「いちほまれ」が今秋発売された。

■日本人の繊細な味覚は米がつくった!?

 日本で食べられる「ジャポニカ米」は、粒が短く、炊くと粘りが出るのが特徴。日本や朝鮮半島、中国東北部、アメリカ西部、オーストラリアで栽培されている。

 一方、全世界の米の8割を占める「インディカ米」は、粒が細長く、炊くとぱさぱさした食感になる。中国南部や東南アジア、インド、西部を除くアメリカなどで広く栽培されている。

 また、ジャポニカ米とインディカ米の中間の形状の「ジャバニカ米」は、インドネシアのジャワ島や中南米が栽培の中心だ。

 インディカ米やジャバニカ米の食べ方は、チャーハンやピラフ、パエリアやリゾットなど「米をいかに味付けするか」が主流。一方、日本人は「米自体をいかにおいしく味わうか」を大切にして、これまで熱心に新品種を開発し続つづけてきた。

 ごはんを食べながらおかず、汁物などを交互に食べ、口の中で好みの味付けにすることを「口中調味」というが、これは日本独自の食文化であり、和食の基本でもあるという。長年にわたるこうした食習慣は、日本人の繊細な味覚にも大きな影響を与えてきたともいえるね。

※月刊ジュニアエラ 2018年11月号より

ジュニアエラ 2018年 11 月号 [雑誌]

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AERA編集部
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