「VIXの急騰を受けてアルゴリズムトレードでVIX先物売りの買い戻しが自動的に大量発生して下げ幅が加速。低すぎる水準からの急騰劇だったため、1日の上昇率が100%近くに達した」(岡村氏)

 XIV、VIXインバースともに一夜にして90%以上下落した。株なら含み損を抱えて我慢することもできるが、XIVおよびVIXインバースには“即死条項”が付与されていた。前日比で80%以上下げると、自動的に早期償還される仕組みだった。

 日本個人投資家協会の木村輝久理事は次のように話す。

「暴落後に、数千万円失ったという個人投資家から『営業マンから積極的に勧められて購入したが、リスクについての説明はありませんでした』とメールが届きました。不勉強な投資家にも責任はありますが、リターンの大きさばかりが強調されて投資家の間で人気になった感は否めない」

 リスクについては説明資料に書いてあるため、投資は自己責任となる。短期で大きなリターンが期待できる人気商品を勉強もせずに購入すれば、思わぬしっぺ返しを食らいかねない。(ジャーナリスト・田茂井治)

AERA 2018年2月26日号