アメリカに住み、世界各地を演奏活動で訪れる24歳のヴァイオリニスト、五嶋龍。昨年5月に名門ハーバード大学を卒業。専攻は物理学で、量子力学を学んだ。ヴァイオリンだけでなく、3段の実力の空手も練習を欠かさない。さらに最近では、友人と企業もしたという。

 そんなマルチな才能を展開する五嶋龍は、どんな自分の未来像を描いているのだろう。

「僕は大胆というか、大きな計画がいっぱいあるんですよ」

 それを教えてほしいと促したところ…。

「30代までにはヴァイオリンの世界でトップレベルにたどり着きたい。自分に恥じない空手もしたい。億万長者にもなっていたいですね」
「40代までには家族をもちたい。それから宇宙に行く計画を始めたい。50歳までに何人かの仲間を集めて寿命を延ばす研究をするためのファンドを立ち上げシンクタンクを設立したい」
「余裕ができていたらロックスターにもなりたいし、DJでエレクトロミュージックのスターにもなりたい。そして60~70代になったら地球を離れる計画をしていたい」
「70歳過ぎたら100歳までには冒険に出ていたい。100歳から200歳くらいには自分の惑星をもつ計画を立てたい。1000歳までには自分の王国じゃないですけど…」

 す、すみません! どこまでがマジですか? 怪訝な顔をしたら、こう真剣に答える。

「100歳や200歳になればテクノロジーを使って寿命の問題は解決できますからね」

 やはり五嶋龍は天才か。だったら、ちょっと意地悪な質問をしてみよう。ズバリ弱点は?

「前向きすぎて用心深くできないこと。慎重さがないですね。夢がいっぱいあるから、すべてのことがよい機会に見えてしまう。だから慎重に考える人が周りにいないと困るんです」

AERA 2012年12月10号