安田顕 ダメな自分を肯定する処世術「適度に適当に、でも的確に」 (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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安田顕 ダメな自分を肯定する処世術「適度に適当に、でも的確に」

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菊地陽子週刊朝日
安田顕(撮影/張溢文)

安田顕(撮影/張溢文)

映画「ホテルローヤル」は、13日からTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開/(c)桜木紫乃/集英社 (c)2020映画「ホテルローヤル」製作委員会

映画「ホテルローヤル」は、13日からTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開/(c)桜木紫乃/集英社 (c)2020映画「ホテルローヤル」製作委員会

 スタジオに現れた安田顕さんは、撮影が始まるまで、ずっと楽しそうに周囲のスタッフと談笑していた。フォトグラファーが、「そこに立って、キリッとした表情でカメラを見てください」と言うと、「はい」と答え、カメラを見た瞬間に、辺りの空気が一変する。求められるものに即応じることができるのは、役者の優れた才能の一つだ。ほんの数分の出来事なのに、多くのクリエーターが「一緒に仕事をしたい」と切望する旬な役者の能力に触れた気がした。

【映画「ホテルローヤル」の場面写真はこちら】

 映画「ホテルローヤル」で、安田さんは波瑠さん演じる主人公・雅代の父・大吉を演じた。

「私は、波瑠さんの父親で、ラブホテルの経営者ですが、途中で、夏川結衣さん演じる妻・るり子に逃げられてしまう。登場する人物それぞれに抱えている荷物があって、ホテルの部屋ではその荷物を下ろし、見た目じゃなく心を裸にしていく。そういう映画です。人の秘密を覗き見している割には、意外とカラッとしていて、そこがいいんですよ(笑)」

「登場人物全員が、情けないけど愛おしいですね」と言うと、「ああ、嬉しいなあ。それはすごくいい言葉ですね」と言って微笑んだ。

「見終わったときに、一歩踏み出すときの背中を押してくれるような、そんな映画になればいいな、と。私は北海道の人間なので、北海道の情景も楽しんでいただきたいと思います」

 新型コロナの影響で、4月にスタートするはずだった連続ドラマが、来年度のスタートに変更になったりしながら、緊急事態宣言が明けた7月からは主演舞台「ボーイズ・イン・ザ・バンド~真夜中のパーティー~」で全国を回った。

「試練が立ちはだかったとき、火事場の馬鹿力のようなものは湧きましたか?」と質問すると、「自粛期間中は、自分の弱さに気づきました」と、透明なアクリル板の向こうで眉毛をハの字にして頭を掻いた。

「何か自分のプラスになることをやりたいと思ったけれど、何もできなかった。多分、世の中には、身体を鍛えた人や本格的に語学を勉強した人、技術を身につけた人、本をたくさん読んだ人とか、いろんなことを新たに始めた人がいたと思う。でも僕の場合は、全く何かに手をつけることはありませんでした。仕事があることはあったので、それを有り難いことだと感じながら、仕事をしないでいい時間は、平々凡々と、ウジウジしながら過ごしていました(笑)」


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