ゴーン被告“国外逃亡”の衝撃 追い詰められる日産経営陣 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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ゴーン被告“国外逃亡”の衝撃 追い詰められる日産経営陣

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多田敏男週刊朝日
東京地裁に入るカルロス・ゴーン被告=2019年5月 (c)朝日新聞社

東京地裁に入るカルロス・ゴーン被告=2019年5月 (c)朝日新聞社

2019年4月に公開された動画上で無実を主張するカルロス・ゴーン被告 (c)朝日新聞社

2019年4月に公開された動画上で無実を主張するカルロス・ゴーン被告 (c)朝日新聞社

 大みそかに衝撃的なニュースが入ってきた。逮捕されて保釈中だった日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告が、日本から出国したというのだ。保釈の条件は東京都内に住むことなどとなっており、裁判所の許可を得ないまま事実上“国外逃亡”したとみられている。

【画像】動画上で無実を主張したカルロス・ゴーン被告

 日本政府は日本に戻って裁判を受けるよう促すとみられるが、ゴーン被告が応じる可能性は低い。保釈金計15億円は没収される見通しだ。金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)や会社法違反(特別背任)について裁くことは、もはや期待できなくなった。

 欧米メディアは、ゴーン被告が国籍を持つ国の一つであるレバノンの首都ベイルートに着いたと、報じている。保釈中の立場のため正規のルートでは出国できないはずで、日本政府は経緯を調査中だ。

 ロイター通信がゴーン被告の声明だとして報じた内容によると、レバノンにいることを認めた上で次のように主張している。

「私は基本的人権を侵害するような日本の司法制度の人質にはなりません。裁判から逃げたのではなく、政治的迫害や不正義から逃れたのです。やっとメディアに自由に話すことができる。来週を楽しみにしていてほしい」

 ゴーン被告は保釈後に日本では正式な記者会見をしてこなかったが、近日中にレバノンで会見する可能性がある。

 検察やゴーン被告側の弁護士らにも、今回の出国は寝耳に水だった。大みそかに報道陣に事実確認などを求められ、慌ただしく対応に追われた。

 もともと保釈に反対していた検察側にとっては痛恨の極みだが、本当に追い詰められるのは日産経営陣といえる。

 ゴーン被告は裁判で不利になる可能性を考慮してか、日本での記者会見はせず、日産幹部への具体的な反論などを抑えてきた。一方で、2019年4月に公開したビデオメッセージでは、事件が日産幹部による「陰謀」で自分は無実だと主張。仏ルノーとの経営統合で日産の独立性が脅かされるかもしれないと恐れた数人の幹部によって、はめられたとしていた。

 これに対し、日産経営陣は、有価証券報告書の虚偽記載などの不正は、ゴーン被告の独断によるもので会社ぐるみではなかったとの立場だ。ゴーン被告は部下だった西川廣人取締役(日産前社長)らの行動や、詳しい経営情報について知っている。レバノンでの会見などで経営陣や日産にとって不利な内容が飛び出せば、大きなダメージとなる。


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