宮崎容疑者 (c)朝日新聞社
宮崎容疑者 (c)朝日新聞社
実況見分の様子。宮崎容疑者が乗っていたものと同じ車種の車と被害者の白の車で再現=8月31日 (c)朝日新聞社
実況見分の様子。宮崎容疑者が乗っていたものと同じ車種の車と被害者の白の車で再現=8月31日 (c)朝日新聞社

 高速道路上で無理やり被害者の車を停車させ、殴打する、帽子にサングラス姿の男。2019年、この男の所業が「あおり運転」に改めて注目を集めさせたと言っても過言ではないだろう。

【写真】宮崎容疑者と同じ車種の車と被害者の白の車で再現した実況見分の様子

 男は住所不定で会社役員の宮崎文夫容疑者。8月10日朝、常磐道上り線で数キロにわたり、男性会社員(24)の車に、高級スポーツタイプ多目的車で蛇行や割り込みなどの進路妨害や急ブレーキといった行為を繰り返し、高速道路上に停車させた疑いが持たれていた。茨城県警は車を停車させた後に男性を殴ったとして傷害容疑で逮捕。水戸地検は9月8日に同容疑について処分保留とし、その後、県警が強要の疑いで再逮捕した。

「当初、暴行容疑を視野に入れていたが、危険なあおり運転を暴行と認定した上で、車を止めさせたことが強要容疑に当たると判断した。あおり運転を強要容疑で立件したのは全国初となった」(県警幹部)

 依然絶えないあおり運転だが、宮崎容疑者の蛮行が被害者の車のドライブレコーダーに記録されていたことが立件につながった。あおり運転を社会問題としてクローズアップさせた象徴的な事件だったのだ。

 捜査関係者によると宮崎容疑者について県警が最長180日の免許停止処分を検討しているという。当の宮崎容疑者は12月23日まで、刑事責任能力を調べるための鑑定留置中だ。警察庁関係者が言う。

次のページ