銃撃があった指定暴力団神戸山口組の中核組織「山健組」事務所前の路上(c)朝日新聞社
銃撃があった指定暴力団神戸山口組の中核組織「山健組」事務所前の路上(c)朝日新聞社

 神戸市中央区の神戸山口組の中核組織である山健組前の路上で10月10日午後2時40分頃、発砲事件があった。2人の山健組の関係者が撃たれて、死亡した。そして、犯人はその場で取り押さえられた。

 逮捕されたのは、神戸山口組と対立する6代目山口組「弘道会」系の幹部(68)だった。

 この日は昼ごろ、山健組の定例会が開催されていた。目撃した付近の住民はこう話す。

「付近には警察の人がたくさんいた。その中でパンパンと音がして怒号がした。『なにしてんねん』『救急車や』とか言っていた」

 捜査関係者によれば、その定例会には見慣れない人物がいたという。

「職務質問すると、雑誌の記者といい、カメラバッグを持っていた。すっかり記者かと思っていた。定例会が終わっても付近にいるので今度は山健組関係者が声をかけたところ、いきなり発砲。そこを何とかとりおさえた」

 暴力団関係の取材をしている雑誌記者はこう話す。

「暴力団関係のニュースを日常的に報じている、実話系の三誌で普段、見ない顔でした。そこで、仲間内で聞くと、定例会に記者は出していないという。しかし、カメラを出して写真は撮っていた。おかしいなと思いながら、定例会が終わって撤収したら発砲事件が起こった」

 兵庫県警が厳重警戒中に起こった発砲事件だけに幹部も動揺を隠せない。

「まさかこの時期に、こんな事件が…」

 六代目山口組ナンバー2である高山清司若頭が10月17日で刑期を終えて、18日朝に収監中の府中刑務所を

出る予定だ。2011年4月、六代目山口組、司忍組長が出所した際は新幹線を1両、貸し切り、移動した。

高山若頭もそれを踏襲する予定で新幹線で神戸市内の住まいに戻るという。

「午後はやい新幹線で品川駅から新神戸駅に向かう計画。高山若頭の住民票は、神戸市にあるので、そこに行くことになる模様です」(捜査関係者)

 だが、その神戸では最近、発砲事件が相次いでいる。8月21日には神戸市の住宅前で弘道会の組員が何者かにけん銃で撃たれた。

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”神戸戦争”の引き金は?