ほとんどの地方自治体が運営に行き詰まって、政府に運営資金を強く求める。ところが政府には金がない。そこで、東京都に資金を出せ、と要求する。それを担当しているのが総務省なのだ。すでに東京都は約7千億円程度の金を様々な名目で出させられているのである。そして、さらに4千億円を出せ、と要求していて、東京都がこれを拒んでいるのだ。

 今、地方自治体に必要なのは、自治体の活性化である。

 活性化に成功している自治体も結構ある。その辺の事情は藻谷浩介氏の著書『里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く』に具体的に記されている。

 そして、自治体の活性化には、その自治体の住民の一人ひとりが、自治体の活性化を“わがこと”として捉えることが何より必要である。

 そんなときに、投票率が大きく落ち込んでいるのはなぜなのか。

 あるいは、自治体の住民たちが、どうせ投票しても状況は変わりはしない、とあきらめているのだろうか。とすれば、地方自治体の状況は悪化するしかない。

 さらに、地方自治体の議員の立候補者がどんどん減っているのである。

 立候補者が減っていて、定数に満たない自治体が少なくなく、15年選挙では無投票当選者が21.9%に達して大きな話題になったが、共同通信の3月9日までの集計では、今回は無投票当選者が29%に達する見込みだという。この深刻な事態にどのように対処できるのか。

週刊朝日  2019年4月5日号

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