「“盛った”料理=愛情」は勘違い 「一汁一菜」が支持される理由 (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「“盛った”料理=愛情」は勘違い 「一汁一菜」が支持される理由

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土井さんが普段食べているみそ汁、一汁一菜の基本形(ご飯+みそ汁+漬物)。「みそ汁だけは毎日欠かさない」という土井さんは、海外に行くときにもみそを持参するという(土井善晴さん提供)

土井さんが普段食べているみそ汁、一汁一菜の基本形(ご飯+みそ汁+漬物)。「みそ汁だけは毎日欠かさない」という土井さんは、海外に行くときにもみそを持参するという(土井善晴さん提供)

 日々の食事は一汁一菜で十分、おかずなしのご飯とみそ汁だけでもよい──。飽食の時代にあって、料理研究家の土井善晴さんが提唱するごくごくシンプルな食事のスタイルが今、世の多くの支持を集めている。「丁寧なくらし」と対極にあるようにみえるが、健康でいるために受け継がれてきた伝統的な和食の型だという。

“おふくろの味”を流行語にした料理研究家・土井勝さんを父に持ち、「きょうの料理」(NHK)や「おかずのクッキング」(テレビ朝日系)など人気料理番組の講師としても活躍する土井善晴さん。日本を代表する料理研究家である土井さんが今、強く提唱するのが「一汁一菜」の食事スタイルだ。昨年10月に『一汁一菜でよいという提案』(グラフィック社)を出版した。

「逆説的ですが、一汁一菜を始めたら、もっと料理を作りたくなったという声が多数寄せられました。自分で“義務”と課している、食事作りの重圧から解き放たれたからでしょうね」

 和食の基本といえば、多くの人が思い浮かべるのが「一汁三菜」。1日30品目を目指し、主菜、副菜などおかずを充実させるのが理想と考え、日々の献立に頭を悩ませる人は少なくない。

 だが、毎日の食事で一汁三菜を作り続けるのは大変だ。共働き家庭も増えている。土井さんの提唱する「一汁一菜」は、おかずは凝ったものである必要はなく、簡単にできる漬物だけでもいいという。さらに、究極の形として、みそ汁を具だくさんにすればおかずの代わりになるので、ご飯とみそ汁だけで立派な「一汁一菜」になると説く。

「この一汁一菜を日常の食事の基本と考えれば、家庭料理は何も難しいことはありません」

 土井さんによると、そもそも、一汁三菜という考え方は、アメリカから輸入された栄養学が戦後強く奨励されるようになったものだという。和食の伝統的なスタイルは、みそ汁、漬物、ご飯だった。

「戦後、日本人は背が小さいのも、戦争に負けたのも、栄養が足りていないからという理由付けがされた。そこでとにかく品数を増やすことにこだわり、洋風の食事に憧れる風潮ができあがっていったのです」


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