「即位辞退の自由」も浮上 天皇陛下「生前退位」の諸問題 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「即位辞退の自由」も浮上 天皇陛下「生前退位」の諸問題

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週刊朝日#皇室
園部逸夫(右)(元最高裁判事、元「皇室典範に関する有識者会議」座長代理)そのべ・いつお/1929年生まれ。筑波大教授、成蹊大教授などを歴任。89年から最高裁判事に。小泉内閣で「皇室典範に関する有識者会議」座長代理、野田内閣で内閣官房参与。主著に『皇室法概論』岩井克己(元朝日新聞編集委員)いわい・かつみ/1947年生まれ。86年から宮内庁担当記者、94年から編集委員に。2012年退職。著書に『侍従長の遺言』『天皇家の宿題』、共同監修に『徳川義寛終戦日記』など(撮影/写真部・堀内慶太郎)

園部逸夫(右)
(元最高裁判事、元「皇室典範に関する有識者会議」座長代理)
そのべ・いつお/1929年生まれ。筑波大教授、成蹊大教授などを歴任。89年から最高裁判事に。小泉内閣で「皇室典範に関する有識者会議」座長代理、野田内閣で内閣官房参与。主著に『皇室法概論』
岩井克己
(元朝日新聞編集委員)
いわい・かつみ/1947年生まれ。86年から宮内庁担当記者、94年から編集委員に。2012年退職。著書に『侍従長の遺言』『天皇家の宿題』、共同監修に『徳川義寛終戦日記』など
(撮影/写真部・堀内慶太郎)

 8日、天皇陛下がお気持ちを表明し、「生前退位」を強く示唆された。これを受け、政権中枢で皇室典範の改正論議にかかわった園部逸夫氏と、皇室取材を長年続ける岩井克己氏が、天皇陛下の生前退位を実現する方策、退位後の課題を語る。

園部:陛下のお気持ちに応えるために、退位の道を開くのか。たとえば80歳になられたら、どの天皇も同じに退位いただく、定年制も一つの方法です。皇室典範に、「何歳に達したら」と補足すれば済みます。

岩井:僕は、典範改正に手をつけずに特別法で現天皇の譲位の道だけ開こう、とする楽なやり方は邪道では、との印象があります。陛下も「象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことをひとえに念じ」とおっしゃった。それでもご希望を通すため混乱を避けて「とにかく特別法」という場合、どういうケースがあり得ますか。

園部:時間が経てば自然に廃止される、時限立法的な特別措置法も枠組みとしてはあります。しかし政権が、国民の一人を取り上げて、何か措置をすることはできません。同じことで、天皇を対象にする対人法となると難しい。悩ましいところです。

岩井:こんな問題もあります。あと20年経ったらいまの皇太子さまは76歳。弟の秋篠宮さまは70歳。「皇位継承順位第1位の皇族として一生懸命やりますが、息子の悠仁親王がいるから70歳で天皇は勘弁してほしい」とお考えになったとする。退位の自由を認めるならば、即位辞退の自由も認められるべきだと。

園部:その議論はあると思いますよ。ご意思による退位を認めるならば、即位を拒否する権利はどうなりますか。ご本人の意思だけで拒否の理由とするのか、客観的な基準を設けるのか。さまざまなケースを想定する必要が出てきます。

岩井:譲位した場合、天皇と太上天皇という象徴の二重性といった衝突や摩擦も想定されます。僕は昭和の時代から皇室を取材してきました。いまの両陛下が東宮時代は、毎年夏に軽井沢に滞在されてお友達の学者や作家の別荘を訪ね、テニスを一緒になさった。これは静養であると同時にご自身の教養を高める経験でもあった。退位をなさっても、「太上天皇ご夫妻」の活動は最後まで続く気がします。それが象徴の二重性につながるとすれば、悩ましい。

園部:お住まいの問題もある。


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