今度はアイドルグループのコピー?(※イメージ)
今度はアイドルグループのコピー?(※イメージ)

 コピー商品が横行する中国で、今度はアイドルグループのコピーか。

 AKB48の公式サイトで6月9日、中国の上海拠点の姉妹グループ・SNH48の運営に契約違反があったと発表された。

 SNH48は2012年に発足。ジャカルタ・JKT48などと並び、秋元康プロデュースのアイドルの「輸出」と注目されていた。かつてメンバーだった宮澤佐江は、こんな意味深なツイートを残している。

<作ったのにほったらかしにしてたのも悪いし、勝手にいろいろしちゃうのも悪いし。。。>

 一体、何があったのだろうか。

 どうやら、BEJ48(北京48)とGNZ48(広州48)なるグループが、中国内で誕生したことが一因のようだ。AKB側は両グループについて、「当社は関知しておらず、AKB48グループとは何の関係もないことをこの場を以てご通知申し上げます」としている。

 SNH48のホームページを開くと、北京と広州も公式の新グループ然とした雰囲気で紹介されている。上海サイドが独自に展開し、日本側から「契約違反」と指摘されているとみられる。

 中国ではこれまでにも、「パクリ」のアイドルグループが出現した。中国で日本のキャラクターグッズを販売する関係者は「今回も氷山の一角」とみる。

『やっぱり危ない!中国ビジネスの罠』の著者、范云涛(ハンウントー)・亜細亜大学教授も「こうした話は、日常茶飯事です」という。そのうえで、中国ビジネスを巡る日中の意識の差も指摘する。

「中国側には、巨大市場でのビジネスチャンスを持ってきているのに軽く見られている、という意識がある。対等なビジネスをしたいのに、まともな提携をできないなら、自分たちで独自にやりますよという考え方もあるんです」

 違反した契約内容の詳細は不明だが、アイドルビジネスを巡る日中のまなざしは交わっていないようだ。(本誌・永井貴子、松岡かすみ、太田サトル、吉崎洋夫)

週刊朝日  2016年7月1日号