若者の参入には高いハードルが(※イメージ)
若者の参入には高いハードルが(※イメージ)

 高齢化が進む国内の米農家。若者の参入を望んでいるものの、そこには高いハードルが存在する。

「若者よ、米を作ろう」と声高に呼び掛けても、そう簡単にはいかない現実がある。

 米農家の多くは自営だが、まったくの素人がいきなり田んぼを手に入れて米農家になるのは難しい。そのため、多くの場合、農村に移住して米農家を手伝うか、農業研修を請け負っている企業に農業体験をさせてもらいながら技術を習得する。しかし、あくまで研修なので、その間は収入が見込めない。

「無収入で過酷な農作業を手伝わされることで挫折する若者も少なくないのです」

 そう話してくれたのは、神奈川から秋田に移住し、農業生産法人「シェアふぁーむ秋田五城目」を設立した大庭裕之さん(33)。若者たちで、無農薬・無肥料の自然栽培米を作っている。

 ここでは研修期間中も月収を保証し、その後は社員として安定した収入の中で米農家を営むことができる。次号で彼らの取り組みを詳しく紹介する。

週刊朝日 2015年8月21日号