杏の『花咲舞~』が『半沢直樹』を超えられなかった理由 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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杏の『花咲舞~』が『半沢直樹』を超えられなかった理由

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週刊朝日#ドラマ

新装版 不祥事

池井戸潤著

978-4062771375

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 ドラマ評論家の成馬零一氏は、昨今人気の“池井戸ドラマ”についてこういう。

*  *  *
 この春クールのドラマが終了しましたが、今期は『花咲舞が黙ってない』『ルーズヴェルト・ゲーム』という、池井戸潤の小説を原作とした2本のドラマが話題になりました。秋にはWOWOWで『株価暴落』が織田裕二主演で予定され、今や池井戸ドラマというジャンルが確立されたと言っても過言ではありません。

 元々、池井戸の小説は定期的にドラマ化され、NHKの『鉄の骨』や、WOWOWの『空飛ぶタイヤ』などが高い評価を受けていたのですが、どちらかと言うと硬派な社会派ドラマというイメージ。一般の視聴者には敷居が高い作品でした。

 大きな転機となったのは、昨年放送された『半沢直樹』です。メガバンクを舞台に銀行業界の内幕を描いた本作は、硬派な部分を残しつつも、銀行組織内の不正を正しながら権力の階段をのし上がっていく半沢直樹(堺雅人)という新ヒーローを描いたことで人気を獲得し、全話の平均視聴率が28.7%(関東地区、以下同)、最終話の平均視聴率はなんと42.2%という、大ヒット作となりました。

 チーフ演出の福澤克雄は、『半沢~』は黒澤明の映画『用心棒』を意識したと語っています。つまり、現代を舞台とした勧善懲悪の社会派時代劇として作られたのです。銀行や大手企業内でのゴタゴタは時代劇『忠臣蔵』などで描かれる“お家騒動”であって、社員や取引先の町工場は幕府の圧政に苦しむ庶民と考えれば理解いただけるかと思います。


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