人間関係の中でも難しいもののひとつである「ママ友」との関係。

 幼稚園や保育園、小学校ぐらいまでは、送り迎えや園・学校の活動に親が駆り出されることも多く、否が応でもママ友と付き合わざるを得ない。その関係は時として大きなストレスになる。どこにでも必ず想像できないようなトンデモママが潜んでいるからだ。ママたちは“地雷”を踏まないよう細心の注意を払っている。

 中1を筆頭に小4、小2と3人の子がいる女性(42)は、クセのあるママ友には、多少は慣れている。自分だって完璧とは思わないが、一線を越えると感じるママ友には、日ごろから注意しているつもりだ。

 周囲に最も多いのは、自分の子どもを偏愛する過保護なママだ。たとえば長女(当時小4)と同じクラスで「息子さんは炭水化物を取りすぎでは?」と医師に軽く注意されたママ友は、「自宅の栄養管理は完璧だから、給食が問題だ」と決め付け憤慨。揚げ句、自分の子だけ給食のご飯を減らされるのはかわいそうだと、全員の量を減らせと校長に訴え続けた。

 犯罪ギリギリのことをするママ友に驚かされたこともある。数人でお茶をする程度に親しかったママ友から突然、

「今日、娘がランドセルを壊されたからすぐに弁償して」

 と言われた。慌てて、まずは代用のランドセルをどこかで借りなければ、と別のママ友に相談したところ、なんとその女性はいろんなママ友たちに文句をつけ、菓子折りをもらっていた常習犯だとわかった。

「それで縁が切れるならと和菓子を届けました。その際『ランドセルは無料で修理が可能なので預かって直す』と言ったのに、絶対に渡してくれなかった。言いがかりだったんでしょうね」

AERA 2012年12月10日号