学校支給の端末で「ゲーム」「YouTube」…制限解除への飽くなき挑戦 親と子の“タブレット戦争”

タブレット

2021/10/30 11:00

※写真はイメージ (c)GettyImages
※写真はイメージ (c)GettyImages

 コロナ渦で急速に教育のデジタル化が進みました。文部科学省の「GIGAスクール」構想により、全国ほとんどの小中学生にタブレット端末が支給されています。自治体や学校によって、使い方や頻度、制限の幅は違いますが、今まで親の管理下でスマホやパソコンを使用させていた家庭では、新たな子ども専用ツールが増えたことで「目が行き届かなくなった」と不安を感じていたり、思わぬトラブルに巻き込まれて現状を知った、という声も聞かれるようになっています。現場の先生や親たちの声を紹介します。

【開成元校長が教える!子どもの好奇心を後押しする「4つのちょい足し」とは】

*  *  *

■男子が目の色を変える「ゲーム」「漫画」「アダルトサイト」

「担任をしている中学1年生の男子がアダルトサイトなどに何度もアクセストライをしようしたようで、フリーズしてしまい、本来やらなければいけない宿題ができなくなったと申し出がありました。『見たい』という気持ちは否定できないので、『グラビアのお姉さんを見ようとしなかった?危ないサイトだとウイルスにかかって大変なことになってしまうよ』と、少々遠回しに注意をしました」

 東京都内の中学校に勤務する女性教諭はこう話します。この学校では生徒に端末を持ち帰らせていますが、自宅でアダルトサイトにアクセスしていたそうです。

 実際に学校で起きているタブレットにまつわるトラブルを、現役の先生たちに聞いてみたところ、ほかにもこんな実例が上がりました。

・授業中、隠れて電子漫画を読んだり、プログラミング授業に使う「スクラッチ」というサイトでゲームをしたりしている生徒がいる。(中学2年男子の例)
・今まで仲良く遊んでいたはずの4人組のうちの一人が、学校で孤立していることに気づき、ヒアリングをしたところ、チームで敵と戦うオンラインゲームをしていたことがわかった。その際に3人から「お前弱い」「ちゃんとやれ!」というような煽りコメントを浴びせられ、学校生活での関係にもヒビが入ってしまった。(小学6年男子の例)

NEXT

親が寝たあとに目覚ましをかけ…

1 2 3

あわせて読みたい

  • 「置き勉」できない子どもたち タブレットが新たな“重荷”に

    「置き勉」できない子どもたち タブレットが新たな“重荷”に

    週刊朝日

    9/13

    「GIGAスクール構想」で増える教員の負担 授業準備や管理、手続きも学校現場に丸投げ

    「GIGAスクール構想」で増える教員の負担 授業準備や管理、手続きも学校現場に丸投げ

    AERA

    1/11

  • なぜ子どもの勉強にiPadが必要なのか?東大理IIIに3男1女合格佐藤ママ「便利さは諸刃の剣」

    なぜ子どもの勉強にiPadが必要なのか?東大理IIIに3男1女合格佐藤ママ「便利さは諸刃の剣」

    dot.

    4/19

    学習用端末によるいじめ「使用を制限しても解決しない」専門家が指摘 親ができることは?

    学習用端末によるいじめ「使用を制限しても解決しない」専門家が指摘 親ができることは?

    dot.

    6/13

  • 鉛筆でまっすぐな線を引けない子が増えている 低学年のうちに身につけたい学習習慣とは?
    筆者の顔写真

    安浪京子 矢萩邦彦

    鉛筆でまっすぐな線を引けない子が増えている 低学年のうちに身につけたい学習習慣とは?

    dot.

    7/25

別の視点で考える

特集をすべて見る

この人と一緒に考える

コラムをすべて見る

カテゴリから探す