・保健室で寝ていることが多くなった生徒がいたため、念のために家庭に報告したところ、「寝耳に水」だった様子。ちゃんと寝られているのかを確認するため夜中に親が子ども部屋を覗いたところ、布団の中でゲームをしていた。親が寝た時間を見計らって目覚ましをかけ、明け方までゲームをしていたようだった。(中学3年男子の例) 

 現場の先生たちの話では、こうしたトラブルは女子よりも男子に多い傾向があるといい、「男子の執念はすごい。規制をかけたとしても、あの手この手で破ってくるので、イタチごっこです」という声が上がります。女子は、ネットで『推し』の情報を集めたり、メイク動画などを見て自分磨きに精を出したりしているというケースがあるそうです。

 学校からタブレット端末で宿題が出されている場合、親には宿題をやっているのか、ゲームをやっているのかわからないこともあります。ある先生からは「小学生なら宿題はせいぜい1時間程度の分量です。2時間も3時間もタブレットを触っているとしたら、なにか他のことをしていると思ったほうがいいかもしれません」というアドバイスもありました。

 また、タブレットが、外野である親たちのトラブルを引き起こした事例も聞かれました。ある小学校で、「写真・動画機能を使って、家のお気に入りスポットを紹介しよう」というプレゼン授業がおこなわれたときのこと。「タワーマンションの夜景の見えるテラスが自分のお気に入りスポットです」と紹介する子がいたり、「自分の部屋がないのでトイレが自分の居場所です」という子がいたり、楽しく授業は終わったそうです。しかし後日、先生がそれをまとめて親にも見られるようにしたところ、『あの子のうちは、タワマンに住んでいることをひけらかしている』とママ友の間で噂になり、ちょっとした問題になったこともあったそうです。

■大人の想像を超える子どもたちの情報ネットワーク

 トラブルが多くなってくると、管理する側はどうしてもタブレットの制限をきつくせざるを得なくなります。しかし、すればするほど、子どもたちの「監視の抜け道を探す」スキルはアップしていくようです。

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