「高市氏の昔を知っているよ」 総裁選候補者3人で最も優れているのに胸がザワつく理由

おんなの話はありがたい

フェミ二スト

2021/09/15 16:00

総裁選に出馬を表明している高市早苗氏(c)朝日新聞社
総裁選に出馬を表明している高市早苗氏(c)朝日新聞社

 作家・北原みのりさんの連載「おんなの話はありがたい」。今回は、自民党総裁選に立候補を表明している3人の議員について。

【写真】対決の行方は…?二人でやきそばを作る高市早苗と野田聖子

*  *  *
 連日、自民党総裁選関連のニュースがメディアを占めている。この国に暮らす人々の生存をかけた衆議院選挙のほうがよほど重大なはずなのに、無駄に自民党の生存をかけた総裁選につきあわされているようでつらい。災害レベルのコロナ禍で重要なときに臨時国会を開かず、自党の人事に時間を費やす自民党の体質が、トップが代わったところで変わるとは思えない。とはいえ、あと一歩で総理の椅子に座る3人の候補者に女性が入っていること、その女性が候補者の中で最も右寄りであること、容姿を誹謗中傷する批判が“彼女にだけ”されていることなど、日本の女性政治家が置かれている現実を生中継で日々見せられているようで、それはそれで気になってしまうのだ。

 候補者3人の出馬表明記者会見を見た。それぞれ力のこもった熱弁を見ながら、改めて菅さん (菅義偉首相) は、相当なレベルで話が下手だったのだと気づかされる。滑舌が悪いうえに自分の言葉で話さない、原稿すらうまく読めないので頭に入ってこない。東京五輪・パラリンピック開催に疑問を投げかける記者には、「安全安心」と繰り返すだけで誠実さのカケラもなかった。さらに記者に対して威圧的であり、社名を名乗らない記者に対していら立つなど、器の小ささを露呈してしまう場面を幾度となく見てきた。喋れば喋るほど、人の心が離れていく総理大臣だった。

 菅さんに比べると3人の候補者の話は、フツーにまともだった。……と、「底」を強いられてきた者として認知の歪みが生じてしまっているのだろうかと自分でも不安になるが、今回、高市早苗氏の会見を初めて長時間聴いてみて驚いた。テンポ、滑舌、論理性、具体性において出馬表明記者会見としては3人の中で最も優れていたからだ。記者からの質問に逃げずに丁寧に答えていたのも好感を持てた。

NEXT

膳場貴子キャスターの鋭い質問にも逃げなかった

1 2 3 4 5

あわせて読みたい

  • 「アベノフォン」で高市早苗氏が2位に浮上、安倍院政も 霞が関が最も嫌がる総理は?

    「アベノフォン」で高市早苗氏が2位に浮上、安倍院政も 霞が関が最も嫌がる総理は?

    dot.

    9/24

    総裁選出馬の高市早苗氏のネット人気が急上昇 「軍師」には安倍前首相、櫻井よしこ氏も

    総裁選出馬の高市早苗氏のネット人気が急上昇 「軍師」には安倍前首相、櫻井よしこ氏も

    dot.

    9/17

  • 衆院解散で「党高政低」消された岸田総理の令和版所得倍増計画と危ぶまれる存亡

    衆院解散で「党高政低」消された岸田総理の令和版所得倍増計画と危ぶまれる存亡

    dot.

    10/14

    岸田・自民vs.枝野・立憲で政策激突 「消費税」「選択的夫婦別姓」「モリ・カケ・サクラの再調査」で比較

    岸田・自民vs.枝野・立憲で政策激突 「消費税」「選択的夫婦別姓」「モリ・カケ・サクラの再調査」で比較

    AERA

    10/20

  • 岸田新政権の党役員「安倍・麻生」の影響色濃く 閣僚や政策も安倍政権に“先祖返り”か

    岸田新政権の党役員「安倍・麻生」の影響色濃く 閣僚や政策も安倍政権に“先祖返り”か

    AERA

    10/5

別の視点で考える

特集をすべて見る

この人と一緒に考える

コラムをすべて見る

カテゴリから探す