「わが子には、英語を使いこなせる人になってほしい」そう願う親は多いもの。そのためにベストな学校はどう考えればいいのでしょうか。「AERA English特別号『英語に強くなる小学校選び2019』」では、学校の選び方からお金のことまで、専門家に聞きました。

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「英語教育は早く始めるといい」と聞き、小学校選びが気になっている家庭は多いだろう。かつては、英語といえばインターナショナルスクールというイメージがあったかもしれないが、今は英語教育に力を入れている私立小も多く、ほとんどの授業を英語で行う“イマージョン教育”に特化した学校も。さらに公立小でも、2020年度には3、4年生から英語が始まるなど、選択肢は多種多様になっている。

「いずれもメリットとデメリットがありますから、英語でどこをめざすのか、金銭面も含めてサポートしてあげられるのか。ご家庭に合わせて、選ぶといいと思います」と話すのは、玉川大学の佐藤久美子さんだ。

 というのも、英語力だけを見ればインターナショナルスクールは魅力的だが、宿題や家庭への連絡も英語。つまり親の英語力も必要なうえに、日本の小中学校の卒業資格をとれないところがほとんどのため、日本の高校や大学に興味を持っても、路線変更が難しいという側面もある。

 イマージョン教育校は、学校教育法1条に規定された一条校であれば日本の卒業資格はとれる。しかし、やはり宿題などは英語で出されることが多い。では、一般的な私立や公立はどうだろう?

■本人のやる気が出てから後押ししても遅くない

「英語をどのレベルまで身につけたいかにもよりますが、私立や公立にも、熱心に授業を行っている学校は少なくありません。まずはできる範囲で一緒に英語を楽しみ、本人がやる気になった時点で、後押ししても遅くないと思いますよ」(佐藤さん)

 一方、進学先を考えるうえで無視できないのが教育費だ。ファイナンシャル・プランナーの藤川太さんによると、「インターナショナルスクールは世帯年収1500万円、イマージョン校なら750万円あると安心」とのことだが、これはあくまでも最低ライン。私立は入学後も塾代や交際費がかさむうえ、「地方のイマージョン校に通うため母子で引っ越し、都市部に残った父親と二重生活になって生活費が膨らんだ」といった話もあるなど、さらにかかることもあるようだ。

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竹倉玲子
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