では、お金をかけなければ、英語は身につかないのかというと、「そんなことはない」と藤川さん。
「『英語は話せたほうがいいから』という漠然とした理由であれこれお金をかけ、家計が苦しくなるケースが増えています。でも『海外で活躍するプロサッカー選手になりたい』というなら、ネイティブ並みの英語力は必要ない。つまりゴールを明確にすると、やることや進路も絞られ、出費も抑えられます」(藤川さん)
■早くから決めるか?自主性に任せるか?
また公立小に通いながら、オンライン英会話で英語を身につける子や、通訳に憧れて自分から勉強を始めるようなケースもあるだろう。つまり、最後は子どもの自主性がカギになる。「小学生の間は出費を抑え、中学受験で英語に強い私立に進むなど、やりたいことが見えてきてから投資するのも一つ」(藤川さん)というのは、学校選びとも共通するところだ。
何にせよ、学校は人としての土台も作られる場所。学校生活や将来の進路もきちんと想像し、わが子にとってベストな選択を考えてあげたい。
◯佐藤久美子
玉川大学教職大学院教授。心理言語学、応用言語学、英語教育を専門とし、NHKラジオ「基礎英語」の講師、Eテレ「えいごであそぼ」の総合指導なども務める。
◯藤川 太
ファイナンシャル・プランナー。「家計の見直し相談センター」代表。2001年のセンター設立以来、2万世帯を超える一般家庭の家計の見直しを行ってきた。
(文/竹倉玲子)
【AERA English 特別号】英語に強くなる小学校選び 2019 (AERAムック)
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