中でも、難関私大の早慶やMARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)の付属校の志願者数が伸びている。早稲田大高等学院や慶應義塾中等部、明治大付明治など、ほとんどの学校で志願者が増加した。減少したのは法政大第二だけだ。16年に男子校から共学校に移行し、志願者が増えて難化した反動と思われる。

 これらの学校は大学入試でも人気が高く、付属校から併設大への内部進学率も8割以上の学校が多い。それだけに保護者には魅力的だ。

 さらに、日本大や東海大の付属校の人気も継続している。今年は、日本大第一、日本大第二、日本大豊山、千葉日本大第一、東海大付相模、東海大付浦安などで志願者が増加した。

■英語入試を導入する学校が112校に増加

 グローバル教育に定評がある学校も躍進が続いている。かえつ有明は志願者数(帰国生を除く)が17年の1186人から今年は1649人になり、463人増加した。開智日本橋学園は1989人から2426人になり437人の増加だ。

 しかし、グローバル教育を謳う学校がすべて伸びているわけではないと、広野さんは言う。

「人気が高い学校は、優秀なネイティブ教員によるオールイングリッシュの授業を行ったり、帰国生も大勢受け入れている。保護者は、教育の内容をきちんと見て学校を選択しています」

 数年前から急速に進んでいるのが、入試の多様化だ。適性検査型、思考力型、PISA型などの入試を導入する学校が昨年より16校増え、136校に拡大した。試験内容も各校が工夫を凝らして、受験生の能力を測っている。

 英語入試を導入する学校も95校から112校に増加した。また鎌倉学園、高輪などの男子校で実施していた算数1教科入試を品川女子学院、大妻中野などの女子校が今年初めて導入した。

 また、別学校の共学化も引き続き進んでいる。今年は文化学園大杉並、八雲学園、青山学院横浜英和が女子校から共学化した。青山学院横浜英和は、青山学院大の系属校になったことで人気がアップしている。

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