お金持ちはなぜお金持ちなのか? お金持ちになりたければ、お金持ちを知ることから始めよう。毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』で、明治学院大学大学院教授の菅正広さんに聞いた、お金持ちに共通する特徴を紹介しよう。

菅正広先生/1956年、福島県生まれ。東京大学経済学部卒業後、大蔵省(現財務省)入省。OECD(経済協力開発機構)税制改革支援室長、世界銀行理事などを経て、現在は明治学院大学大学院教授(撮影/関口達朗)
菅正広先生/1956年、福島県生まれ。東京大学経済学部卒業後、大蔵省(現財務省)入省。OECD(経済協力開発機構)税制改革支援室長、世界銀行理事などを経て、現在は明治学院大学大学院教授(撮影/関口達朗)

■お金持ちはお金でお金を増やす

 億万長者には、「何かを始めた最初の人」が多い。今まで誰もやらなかったことに挑戦してみることが、成功のための第一歩だね。ここで大事なのは計画を頭に思い浮かべるだけでなく、実際にやってみることだ。

 上の三つに加えて、さらにお金持ちになる方法がある。多くのお金持ちは、資産を銀行に預けるだけでなく、国や企業などが発行する株式や債券など、金融商品を購入する「投資」を行い、お金でお金を増やしている。

 今、銀行の普通預金の金利は低く(国内の大手銀行で0.001%程度)、銀行に預けておくだけではほとんど増えない。でも、金融商品には値下がりするリスクはあるものの、銀行に預金しておくのに比べたら、はるかに金利が高いんだ。

■自分のもうけだけを追求しすぎる問題も

 そもそも金融とは、お金を必要とする人に必要な額を融通すること。投資家は余ったお金を有効活用でき、企業は資金を得ることで、新たな挑戦ができる。個人や社会全体にもよい影響をもたらす、人類の英知ともいえるすばらしいしくみだ。それなのに、実社会ではそうなっていないのが大きな問題だ。

 金融商品を自らのもうけのためだけに売り買いする人があまりに多く、その結果、もうかるところにだけお金が集中して、本当に必要なところには回らない。富める人の富は雪だるま式に膨らんでいく一方で、貧しい人はどんどん貧しくなっている。

【お金持ちの3原則】

(1)ニーズに合ったものをつくりだす
「これがあると便利」「こんなの欲しかった」など、人々のニーズに合った商品やサービスをつくりだすことでビジネスは成立する。発見や発明、ひらめきだけでなく、人の心や時代を先読みするセンスも必要だ。
 例えば、不要なものを販売するフリーマーケットのアプリ「メルカリ」は20~30代女性を中心に人気が広がり、世界で1億ダウンロードを突破した。

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AERA dot.編集部
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