子どもがいる家は朝から晩まで毎日がバタバタ。それなのに、やりたいことができてない、終わらない……。そう思ったら、改めて時間の使い方を見直してみる必要がありそう。『AERA with Kids』秋号(朝日新聞出版)では、子どもの時間管理のコツを紹介しています。

週間と今日のやることを整理した2枚のホワイトボード(Kさん宅)
週間と今日のやることを整理した2枚のホワイトボード(Kさん宅)

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「うちの子は、時間にだらしがなくて……」。日本全国、本当によく聞く親のぼやきです。

 しかし、行動科学の専門家である石田淳さんは、これまでの知見とマネジメントしてきた数えきれない実例から、こう断言します。

「時間管理ができないことは、性格や人格とは関係ありません」

 したがって、「なんで時間にルーズなの」「だらしがない!」と叱ったところで、まるで見当違いなのだといいます。

「性格的にだらしがないのではなく、やろうと思っていても、新しいことや興味のあることに気を取られて忘れてしまうのです。善し悪しではなく、子どもはそういう特性を持っているのです」(石田さん)

 また、中学受験のプロである安浪京子先生も、こう言います。

「最難関中学を目指すような子でも、自分でスケジュールを決めて、自分で動ける子はほぼいません」

 それでは親はどうしたらいいのでしょうか。石田さんは、この状況を変えるためには、具体的な「ルール化」が有効だと言います。

「大切なのは、『環境設定』と行動の『シェイピング』。環境設定とは、時間管理しやすい環境を整えること。子どもも大人も同じですが、時間管理ができない人は、たいてい整理整頓もできていないもの。まずは身の回りをきれいにして動きやすい環境にすること、ゲームやテレビなどを遠ざけるなど行動の枷にならない環境づくりを最初にしましょう。『シェイピング』とは、シェイプする、すなわち、かたちづくるという意味ですが、望ましくない行動を変えて、理想的にかたちづくることをいいます。子どもと一緒にスケジュール表を作ることはもちろん、それが達成できるようにタイマー・アラームを利用するなど、達成後のごほうびを作るなどの工夫も必要です。」

 そこで編集部では、時間管理がうまくいっている家庭を取材。そうすると、多くの家庭であるアイテムを活用していることに気がつきました。

 それは、「ホワイトボード」。最近は100円均一ショップなどでも見かけるようになり、手軽に買えるようになりました。どんなふうに活用しているのでしょうか?

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AERA dot.編集部
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