【ポイント5】 小学校卒業時の目標の目安は、例えば「ゆっくりはっきり」

 小学校では、英語を発話したり聞いたりする際の目標として、「身の回りのことや自分のこと」「ゆっくりはっきり」「実物を見せながら」など、中学校の目標にはないキーワードが添えられています。「書く」は、簡単な語句や表現を書き写すことが目標の一つです。

【ポイント6】 小学生の間は日本語との違いに気づくことが大事

 小学校では、文法事項の指導はしません。子どもが「聞きたい」「言いたい」と思うような題材を使って、その語句や表現を聞いたり話したりする必然性のある場面の中で、繰り返し英語に触れ、慣れ親しんでいきます。

 意味のある文脈でコミュニケーションを繰り返すことで、日本語と英語の違いに気づき、同時に活用頻度の高いget upやlook atといった基本的なイディオムも自分のものにしていきます。

【ポイント7】 中学卒業時に、英語で会話ができるようになることがゴール

 中学校では週4回の英語の授業で文法事項の知識も身につけながら、「読む・聞く・話す・書く」の4技能をバランスよく伸ばしていきます。お互いの考えを伝えあったり、短い新聞記事を読んでその概要を説明したりと、生徒が話す場面が多くなります。

 このような授業を通し、「伝わった」「わかった」という成功体験を多く積むことで、英語に自信のある生徒を育て、卒業後も自ら英語を学ぶ自立した学習者になってもらうことがねらいです。

【ポイント8】 中学、高校では「読む」「書く」もより強化する

 小学校で単語や表現を見慣れたり、短い文を書き写したりしたうえで、中学、高校では「読む」「書く」も強化し、4技能を高めていきます。中高ともに新聞記事などを読み、その話題をテーマに自分の意見を話したり、書いたりする活動も充実させていきます。

 なお、2019年度から数年に一度、文部科学省主導のもと、中学3年生を対象に4技能を測る学力調査を実施する予定です。(文/菅野浩二)

直山木綿子さん/中学校の英語教師や京都市教育委員会指導主事などを経て、2009年から文部科学省初等中等教育局で教科調査官を務める。

【AERA English 特別号】英語に強くなる小学校選び2018 (AERAムック)

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AERA dot.編集部
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