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「アメリカの未来がとても心配」パックンに聞いたトランプ評

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パトリック・ハーラン/1970年、アメリカ・コロラド州生まれ。93年ハーバード大学を卒業。同年来日し、97年お笑いコンビ「パックンマックン」を結成。テレビのニュース番組の司会を務めるほか、大学で国際関係論を教える(写真/家老芳美)

パトリック・ハーラン/1970年、アメリカ・コロラド州生まれ。93年ハーバード大学を卒業。同年来日し、97年お笑いコンビ「パックンマックン」を結成。テレビのニュース番組の司会を務めるほか、大学で国際関係論を教える(写真/家老芳美)

 政治経験のまったくないアメリカ大統領が誕生した! ドナルド・トランプ新大統領は、どんな背景から生まれたのだろう? 世界のリーダー、アメリカが大きく変わり始めている。世界と日本はどうなる!? 毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』に掲載された、芸人で東京工業大学非常勤講師のパトリック・ハーランさん監修の解説を紹介しよう。

■常識破りの大統領が誕生

 アメリカは「二大政党制」で、共和党と民主党が4年に1度の大統領選挙を戦い、勝った党が政権を担当する。2009年からの8年間は、民主党のバラク・オバマ大統領が政権を担った。

 17年1月からの新大統領を決める選挙では、民主党のヒラリー・クリントン候補と共和党のドナルド・トランプ候補が対決。暴言を連発する実業家のトランプ氏より、元大統領の妻で国務長官も務めたクリントン氏のほうが優勢とみられていたけれど、トランプ氏が勝利した。この結果に、みんなビックリ!

 なぜなら、トランプ氏は有名人でお金持ちでも、政治経験はゼロ。また、毒舌家で知られ、有色人種や移民、女性や国民的英雄をけなすなど、人としてやってはいけないことも平気でしてしまう人なんだ。だから、共和党の有力者からも全面的な支持を得られなかった。

■政治経験ゼロに期待が集まった

 それなのに、なぜトランプ氏が当選したのだろう?

 理由の一つは、暮らしが向上せず、「政治家は信用できない」と思う人がたくさんいたことだ。こうした人は政治経験を評価せず、今までにない変化を求めて、あえて経験のないトランプ氏に投票した。直前に民主党政権が8年間続いたことも、クリントン氏には不利だった。同じ党だと変化を訴えにくいからね。

 また、民主党は、本来は労働者の味方なのに、男性労働者の票の多くをトランプ氏に持っていかれた。トランプ氏はお金持ちの「エスタブリッシュメント(既得権層)」だけど、人目を気にせず、政治家や少数派への暴言を連発。不満のたまった労働者の気持ちを晴らし、「彼こそ私たちの代表だ」と共感を集めた。

「偉大なアメリカを取り戻す」というスローガンを掲げて経済の立て直しを訴えるトランプ新大統領。でも、彼は「ほら吹き賞」をもらったこともあるような人(※)。本当にできるのかは霧の中だよ。


【キーワード】
<共和党>
支持者は主に農村地帯に住み、白人、高所得者に多い。自由な競争による経済の発展や、強い軍事力を主張。価値観は保守的。銃規制に反対、妊娠中絶は「神の教えに反する」として反対、 同性愛者に寛容ではない。民主党はその逆の立場をとる。

<民主党>
支持者は主に都市部に住み、黒人・移民、低所得者に多い。格差を減らすための福祉の強化や、国防費の削減を主張。価値観は進歩的。

<アメリカ大統領の権限>
行政の最高責任者。国民による投票で直接選ばれ、4年間の任期(憲法上、現在、最長は2期8年)が終わるまでは、原則、やめさせられない。議会が可決した法案の差し戻しができるなど、独立した強い権限を持つ。世界最大の軍隊の最高司令官で、核攻撃の判断も行う。

(監修/芸人、東京工業大学非常勤講師・パトリック・ハーラン)

※月刊ジュニアエラ 2017年3月号より


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