学校から届いた眼科検診の結果を見てびっくり! いつの間にか我が子の視力が下がっていたなんてこと、ありませんか? 『AERA with Kids 秋号』(朝日新聞出版)では小学生の近視の原因とその予防法、対処法について詳しく調査しています。

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「昔から近視は遺伝と生活環境に起因すると言われてきました。しかし最近は、生活環境が原因で近視になる子どもがより一層増えています」と指摘するのは、眼科専門医の林田康隆先生だ。

 ある実験で、外での作業を増やしたグループと、部屋での作業を増やしたグループに分けて視力の差を調べたところ、外で遊んだ子どもは近視になりにくかったという結果が出たそうです。

「研究者の考察は、外遊びで屋外光、つまり太陽の光を浴びることで、視力にも関係のある成長ホルモンの分泌が促進され、近視化が抑制されるのでは? ということでした。ただ、外で遊ぶと遠くに視線が飛ぶ、いろいろなところにピントを合わせるといった点が、目のために良かったとも考えます。いずれにしても屋外で遊ぶということは子どもにとって非常に大事なのです」

 ではなぜ近くばかり見ると、近視になりやすいのでしょうか?

「目の奥行きの長さを眼軸長(がんじくちょう)と呼びますが、近視の原因はこの眼軸長が伸びることと言われています。近視の遺伝がある場合、もともと眼軸長が長くなるほか、長時間近くを見ることでも眼軸長は伸びるとされています。また、子どもは筋肉が敏感なので、近くを見ることで目の周りの筋肉が緊張し、一時的に視力が低下することも。これを仮性近視と呼びますが、この状態が続くと、本当の近視になってしまうこともあります」

 とはいえ、現代社会で、近くを見る作業を避けるのは子どもといえども至難の業。だからこそ、作業の合間に遠くを見る習慣をつけたり、目を意識的に動かしたりして、近視の進行を予防していくことが大事、と林田先生は言います。

 では、実際に近視になってしまったらどうしたらいいのでしょうか?

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AERA dot.編集部
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